ごあいさつ
通信Back number 2012年4月~2013年3月
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2013年3月22日(金)No.292 かなり以前に買ったビーダマを手付かずのまま放置してありました。ビーダマはお団子パズルを作るために用意したものです。子ども達に塾に来た記念にあげるために作っています。パズルはビーダマを木工用ボンドで接着して作ったものです。ビーダマ4個を一列にくっつけたもの,が2本と6個を3個×二列に接着したものが2セット,計四つの部分でできています。4個一列のビーダマがみたらし団子のようなのでお団子パズルと名がついたようです。この四つのパーツを組み合わせて正四面体を作るというパズルです。 子ども達が初めて塾に来た頃に必ずやってもらっています。完成した形を見せて,パーツに戻してから挑戦してもらいます。あれこれと組み合わせているうちに何となくできてしまうこともありますが,それなりに子ども達は苦労していました。正四面体はどの面も三角形です。4個一列と3個×二列からその三角形の形を作るのに子ども達は苦労するようです。平面的なパーツから立体である正四面体を作るところに難しさがあるようです。私達がヒントを与えたりすることもありますが,子ども達が何とか完成させます。その後,何色か色違いのビーダマで作ったパズルの中から好きな色を選んでもらっています。 完成した正四面体は飾っておいても結構きれいなものです。面白いことには,このパズルは分子の配列や結晶構造を説明するための模型で,パズルのために作られたものではないそうです。本来のパズルはタングラムとかよくホテルなどにおかれている「The T」など何種類か塾においてあります。時折,子ども達が出してきて遊んでいます。「The T」などは木でできていて手触りもよく,子ども達が遊んでいる様子を見ているとどのパズルもよくできていると思います。そして,お団子パズルと違って様々な形を作るようにできています。ところが子ども達は元のようにケースに収めるとそれで終わりにしてしまうようで,少し残念に思います。それと,驚いたことに,こうしたパズルがスマホやゲーム機のソフトにあるようなのです。こうしたパズルは平面的なものが多いので画面に現すことも簡単だからなのでしょう。 実際にパーツに手を触れて動かして形を作ることと画面やボタン操作で形を作ること,どちらも同じ作業なのかもしれませんが私には気になります。何もかもバーチャルというのもどうかという思いがあります。 さてお団子パズルですが,子ども達からパズルをやらされた母さんお父さんもいらっしゃると思います。ビーダマのガラスの感触は少し冷たいかもしれませんが,まだの方は頭の体操にはなるかと思いますので是非一度チャレンジしてみてください。結構手ごわいかもしれません。 ♥今春の高校入試…標準問題の国・英が易しかったため合格ラインは高くなったでしょう。一方,記述問題が多く書く力の重視や,完全解答が多いことも変わりがありませんでした。語句の意味や内容を正確に理解しておくことが大切でしょう。また,簡単な説明を書く練習も普段からするようにしたいと思います。 ◎国語…昨年同様,詩の出題がなく実用文(案内文など)の出題となりました。標準は易しくなりましたが,裁量は論述力重視は変わっていません。 ◎数学…標準裁量ともに難易度は昨年と同程度ですが,裁量の配点が21点と増えました。これは標準問題の基本的な小問の配点ですから,落とせない点数といえます。裁量は昨年同様,易しい問題もありました。 ◎社会…完全解答が多く17問,配点は27点分でした。また,昨年と出題形式が変わり,最初に地・歴・公の各分野から小問が24点分出題されました。基本的な問題ですが語句で答えたり完全解答が多く正確な知識が必要です。 ◎理科…社会同様に出題形式が変わり,最初に語句を答えたりする小問が12点分出題されました。また,完全回答が10問24点分,記述が5問13点分ありました。この傾向は当分続くのでしょう。 ◎英語…標準は文の穴埋めや疑問文の応答など基本的な小問が20点分あり易しかったでしょう。裁量も今までのような難しい問題ではなくなりました。 問題ばかりが話題になる時期ですが,ランクを確保し高校の選択肢を多くしておきたいものです。 —————————————————————————————————————————— |
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2013年2月18日(月)No.291 今年も恒例になった中3の受験対策を土曜に行っています。道コンの過去問と予想問題を使った直前模試です。問題を解くことは当然ですが,問題の形式や傾向になれること,また英語の聞き取りテストの練習も兼ねています。どの問題から解いていくとか時間配分を考えるといったことも目的の一つです。 朝から夕方までの長丁場の受験対策です。途中に昼食をはさみます。模試を受けているときは緊張感を持って真面目に取り組んでいます。お昼はそんな緊張がほぐれる時間です。勉強をしに来ているとはいえ,お昼の休憩は楽しみなようです。買出しに行く子がいればお付合いでジュースを買ってくる子,そんなことも楽しいようです。おしゃべりをしながら昼食を取り,短い昼の休憩時間ですが楽しそうに過ごしています。そんな子ども達のたわいのないおしゃべりを聞きながら私達もおいしく昼食をいただきます。 試験終了後,採点した答案を返し解説をします。時期が時期ですから,子ども達は点数で一喜一憂です。練習ですから点数があれば良いというものではありませんが,それで自信を持ってくれればこれほど結構なことはありません。 実は採点をしている私も子ども達と同じようなものです。この問題が解けるようになっている,こちらはまた間違えたとか,ひょっとすると私のほうこそ一喜一憂が激しいのかもしれません。今まで間違えていた問題を解いてくれたときは本当にうれしいものです。その反面,同じ間違いを見つけたときはどう説明すればよいかと考えることしきりです。私にも様々なことを考えさせてくれる良い勉強になっている受験対策なのです。 こうした形式の受験対策は,裁量問題の導入と同じ年に始めましたから,今年で5年目になります。当たり前ですが,毎年メンバーが変わり,雰囲気も違っています。しかし,試験を受けているときや昼食の風景などは似かよっています。結構な時間を子ども達は共有しますから,勉強をしているのですが仲良くなっていくようです。こんな風に,子ども達がどこか試験勉強を楽しく思ってしてくれれば。より効果も上がるのではと思っています。 私立高校の受験が20日で終わります。公立の受験まで,試験対策もあと2回を残すだけとなりました。受験までわずかの日数ですしできることも限られていると思いますが,子ども達と一緒に私もできる限りのことをやり悔いが残らない受験対策にしたいと思います。 そして,実力を発揮するために,体調管理もしっかりとし風邪などに注意してください。生活は朝型の受験スケジュールに,また朝食をしっかり食べるなど栄養面にも注意してください。元気に受験にのぞみよい結果に結び付けましょう。子ども達と良い春を迎えられるだろうと期待しています。 ♥公立高校の学力検査が近くなりました。思いつく注意点を書き出しました。 ○公立高校の学力検査のタイムスケジュールは1月末の道コンでわかっていると思います。長い休憩時間の過ごし方として,参考書に目を通すことはもちろん,深呼吸や軽いストレッチなどで,体の緊張をほぐすのも良いことでしょう。また,水分補給やトイレなどにも注意が必要です。 ○勉強は基本的なことのおさらいをしておきましょう。特に,理科の実験・観察の見直しや社会の用語を確認すると良いかもしれません。 ○受験当日の持ち物のチェックも忘れないでください。 ♥試験が終わった中学もありますが,中1・2はまだまだ対策の真最中です。通信がお手元に届くころは学年末試験がすべての中学で終わっているとは思いますが,学年最後のテストということで,早めに来たり居残ったりと,みんながんばって勉強しています。良い結果で学年の最後を締めくくってくれればと期待しています。 ♥内申点説明会…新中1の親子対象 内申点(中学の五段階評定)の仕組みなどについて説明をします。小学校の卒業式を終えたころを予定しています。詳しい予定についてくは子ども達にプリントを渡します。 新年度,4月に新学年が始まってからの予定です。都合の悪い曜日や時間帯がありましたら早めに連絡をください。できる範囲で調整いたします。 —————————————————————————————————————————— |
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2013年1月27日(金)No.290 一人一人の子どもにあった勉強内容,必要な勉強はどんなことか?いつも悩まされることです。学校の勉強はカリキュラムにしたがって, 1年分の内容を消化していきます。宿題やワークなど子ども達も消化していかなければなりません。消化していきますが,子ども達の実力を考慮しているわけではありません。私としては,何とかその子の力にあった課題を用意したいと考えています。 この時期,受験生の勉強はやりやすい時期といえます。学年末試験は終っていて,ワークの提出や宿題から解放されています。そして,受験校が決まり願書を提出していますから,個々の目標点数がはっきりしています。その結果,しっかり勉強すべき部分と捨てるべき部分を決め,目標に向けて割り切った勉強ができます。子ども達自身も何をすればよいかが分かりやすく勉強がしやすいともいえます。私の課題の設定もそう難しくはありません。 しかし,1・2年生はこれから学年末テストがありますが,受験生のようにはなかなかいきません。やはり,できない所や分からない部分が気になり,受験生のように「捨てる」といった割り切りは難しいといえます。 確かに,学校の宿題やワークなどは全部やっていくことになっています。空欄は駄目なのです。子ども達がすべてをやろうとするのも仕方のないことかもしれません。でも,私にはいつも満点を目指しているような感じがしてなりません。満点はすばらしいことに違いはありませんが,私も子ども達も神ならぬ普通の人間です。間違いや分からない事があってもやむを得ないことではないでしょうか?間違いや出来なかったことを放置するのはよくありませんが,一挙にすべてが出来るようになることはめったにあることとは思えません。 例えば,英語で難しいことといえば日本語を英語に変換する英作文があります。英文を自力で書くためには英単語の意味やスペル,文法や連語の知識など様々な条件を備えていなければなりません。これらの条件をクリアして初めて英文が書けるようになります。 数学だと,証明問題などが代表でしょうか。証明問題を解くためには,定義や定理をすべて覚えただけでは解けません。問題文の読み方に始まり図の見方や答案の書き方のパターンまでも覚える必要があります。 まるで,ジグソーパズルのように,どれか一つ欠けてもうまく解けません。ジグソーパズルといえば,周りの枠や模様や色の分かりやすい部分を手がけるとやりやすいものです。勉強もつい最も難しいところに目が行きがちですが,注意して見ると英作や証明のほかにも手をつけるべきところに気がつくかと思います。ピースがはまってくると,難しい部分もやりやすくなります。そんなパズルと同じように一つずつピースをはめるように,少しずつ問題を解くために必要なことを身につけていくことが必要と思います。 現在,どのピースが欠けていているのか,どのピースから手がけるのが良い方法なのか,私から子ども達に伝えるのが当然ですが,子ども達自身も考えるようにしてほしいと思います。「言うは易く行うは難し」で試行錯誤の連続になるでしょうが,一人一人に合った課題を提供できるよう工夫したいと思います。 ♥冬の講習が終わりました。みんな寒い中を元気に通ってくれました。そのせいか道コンの結果をみると,どの学年も健闘していました。3年生は問題が難しく,内容的には裁量問題のようでした。そのため点数は伸びていません,特に中位から下の子にはつらかったようです。3年生は残り少ない時間をしっかり勉強したいと思います。2年生は良くも悪くも半ばしています。モチベーションが気になります。この春には受験生になりますから,具体的な志望校を考えてほしいと思います。そして,1年生はほぼ全員がSSを上げ健闘したと思います。 ♥受験生の生活…中学からのお知らせや新聞のコラム欄などに書かれ,すでにご存知のことと思いますが,参考までに書きました。 • 入学試験は朝から昼間に行われます。昼型の生活リズムにしましょう。 • 一日の生活のリズムを整えるコツは規則正しく食事をすることです。特に,朝食を抜かないようにしてください。朝食抜きは,エネルギー切れになります。また,脳は糖分しかエネルギー源にできないことにも注意して下さい。 試験の朝は、炭水化物をたくさん取るのがいいようです。ただし,砂糖分では,昼前にエネルギー不足になることがあるそうです。 ご飯,パン,バナナ等で炭水化物をとり,体を温めるためにタンパク質が豊富なみそ汁,牛乳,卵などがよく,脂肪の多い肉類は控えめがよいそうです。
————————————————————————————————————————— 2012年12月26日(水)No.289 がんばって顔を洗うとか歯を磨く,何か特別なことがあればそんな事もあるかと思いますが,こうした生活の中に組み込まれている日常的なことは特に何かを考えることもなく自然と行っていることだと思います。 時期が時期ですから,中3生は「冬休みはがんばって勉強する」などとよく言います。意気や良しとしますが,どこかで無理をする「がんばる」は続きません。そして,子ども達に「顔や歯を磨くように勉強しましょう。顔を洗うのを忘れるとなんだか変だと思うように勉強をしないとなんだか変だと思うようになりましょう。」などと私は憎まれ口をたたきます。実際の話として,こんな風に勉強をしている人はあまりいないのだと思います。こんなことを子ども達に言った私自身,歯を磨くように勉強したことは一度もありません。 私が「がんばる」を嫌うのはこの言葉に具体的な中身が無視され気持ちだけを言うことになるからです。何かをするときには実際に何をするのか,勉強であれば,問題集をやるのか参考書を読むとか具体的なことを考えることが先かと思います。気持ちや決意を言うのはそう難しいことではありませんが,実行するのは簡単なことではありません。気持ちだけで何かができるのであればこんな気楽なことはありません。 あまり楽しくもなく面倒な勉強を続けるためには,それなりの工夫が必要だと思います。大雑把な目安を考えることから始めるのが良いでしょう。 まず,勉強の中身をしっかりと決めることでしょうか。科目と利用する問題集を決めるといったことです。 次は量の問題です。問題集など私が用意するべきものは準備します。一日にどの科目を何ページするのか,科目によっては何問するのかといったことです。いつまでにどれだけするのかで一日の分量は決まるかと思います。決めるときの注意点は,国・数・社・理・英をするというように,一日にやる科目数をできるだけ多くします。同じことをしていると飽きてきます。目先を変えて気持ちをリフレッシュしましょう。それから時間のことは一切無視してください。短時間で終わればそれで良しとします。 そしていつするのか。長期の休みですが,年末・年始など勉強する雰囲気ではないと思います。勉強する日,しない日をしっかりと決めてください。次にどの時間帯にするのか,生活サイクルを考えれば決まるでしょう。このあたりはご家庭の協力が必要かもしれません。 注意点として,「あまり細かく決めない」,「日数は少なめに設定する。20日間で終わらせたければ,15日で終わるようにする」。そして,何といっても自分の目的ににあったものでなければなりませんから,人によって違ってきます。 顔を洗うようには無理かもしれませんが,生活の中に組み込めればと思います。長期の休みは勉強への取り組み方を練習する良い機会でしょう。 ♥二期末試験♥T中の試験が難しくなったことを前回に書きましたが,塾生はそれなりに健闘してくれていました。点数こそ下がったのですが,学年順位を上げた子が多かったのです。順位を上げたのですからうれしいことには違いありません。でも,試験の点数が良くなかったことから,五段階評価は下がりランクを落としました。学年順位が上がったのですから力をつけてきたと考えて間違いないでしょう。ところが力をつけてきた結果は評価されなかったということです。子ども達のモチベーションに響かなければと思います。 試験はこれで終わりではありません。学年末で取り返しランクを取るようにこれからも勉強を続けていきましょう。 ♥中3入試対策模試…学年末終了後,毎週土曜は模試と解説を行います。朝から夕方までかかりますので昼食の用意をお願いいたします。 ♥懇談には,ほとんどのお母さんに来ていただきました。師走のお忙しい中ありがとうございました。子ども達の様子を聞かせていただき,子ども達のことを思う親御さんたちの気持ちを子ども達に上手に伝えられればと思っています。また,聞かせていただいた子ども達の様子を参考にし,冬休みの講習など今後の勉強を進めていきたいと思います。なお,お忙しくて懇談にこられなかった方は,時間をとりますので,いつでもご連絡ください。 ♥今年も色々とお世話になりました。何かと至らない点があり,気になることがあったかと思います。気がついたことをご指摘下されば有難いと思います。何とぞ来年もよろしくお願いいたします。皆様には良いお年をお迎えください。
————————————————————————————————————————— 2012年11月27日(火)No.288 休むこともあまりなく,子ども達は試験勉強によく塾に通ってきたと思います。今回の試験対策は,教科書の内容が増えたことから,いつもに比べ余裕をみて1週間ほど早く始めました。実際,試験対策のプリントを準備していると昨年よりも枚数はかなり多くなりました。 早く対策を始めて良かったと思ったのですが,そうは甘くありませんでした。こなさなければならない学校のワークもページ数が増えていたのでしょう。全員ではありませんが,ワークに追われ私が用意したプリントどころではない子もいました。提出するためにワークを完成させる。完成というと聞こえが良いのですが,最後は解答を写すということになります。 子ども達のワークに対する取り組み方を見ていると,まったく手をつけていない子から,学習済みのところまでやり終えている子までいます。やり終えている子と手付かずの子との違いはどこにあるのでしょうか。 この時期になれば中1であってもワークをためると大変なことになるくらいは経験済みです。「どうして普段からきちんとやっておかないのだろうか」と,昔の自分を忘れて私は思ってしまいます。やはり家で勉強すること,ワークをするのは面倒なことなのでしょう。実はワークをやり終えている子でもその気持ちに変わりはないようです。といいますのは,やり終えている子はワークの大半を学校で済ましてしまっているようです。どのようにしているかは詳しく聞いていませんが,どうも授業中にやってしまっているようです。 子ども達が学校で過ごす時間は,部活などの時間を除いて,朝8時半ころから3時過ぎまで。6時間以上は学校で過ごすでしょうから結構な時間になります。この時間を如何に有効に使うか,これは家に帰ってからの子ども達の自由時間が増えるか減るかということでもあります。家でのんびりと自分の好きなことをするためには,学校での時間の過ごし方を考える必要がありそうです。授業時間中を有効に使ってワークをする工夫をしてほしいと思います。 私がいつも子ども達に言うことですが,問題をやり終えたら必ず答合わせをしなければ間違いを正すことができません。ですからワークで勉強をするためには解答は欠かせません。ところが解答が子ども達に手渡されていないということがあります。解答を写させないための措置でしょう。しかし,勉強をしようという子にとっては大変迷惑な話です。必ず子ども達に解答を持たせてほしいものです。学校の考えることですから私には何ともできません。 いずれにせよ,提出しなければならないワークをどのように処理すれば塾の勉強を効率よく勉強進められるか検討しなければと,改めて考えさせられた期末試験勉強でした。 ♥期末試験♥学力テストに比べ簡単だった定期試験ですが,ここにきて突然入試を意識してT中は試験を難しくしたようです。特に2年生は大幅に平均点を下げたようでした。試験の難しさといっても色々あるかと思いますが,2年生の英語は80題程の出題で1問を30数秒でとかなければならないという試験でした。他の科目も問題数が多く子ども達は驚いたのではないかと思います。問題そのものはさほどレベルが高い難しい問題とは思いませんでしたが,時間に追われた子が多かったと思います。子ども達の何を測り知りたかったのでしょうか。問題作成の意図がどのへんにあるのかよくわかりません。入試が難しくなったのは昨年からであり,何故この時期に点数の取りにくい試験をしなければならなかったのでしょうか。平均点を超えたとしても点数が低いのですから,今の成績のつけ方からいけば4や5は減るでしょう。平常点などで子ども達の成績が下がらないことを願うしかありません。
————————————————————————————————————————— 2012年10月26日(金)No.287 新聞が学校で教材として使われると新聞によく書いてあります。そして,事例が新聞で紹介されてもいます。新聞記事といえば、社会・理科の高校入試や定期試験で時事問題が出題されるという認識があります。 ですから,時折ですが,子ども達に「新聞を読むように」と言います。子ども達の反応は「テレビ欄しか見ない」「四コマ漫画を見る」といったところが多いようで,読む子は少数派のようです 新聞の購読料は1日にすると130円程度でしょうか。私は新聞があれば1時間ほどの時間がつぶせます。高いのか安いのか人によってそれぞれかと思いますが,百円少々で結構な暇つぶしができるので,私は安いものだと感じています。その暇つぶしの一つに新聞の「挑戦ニュース時事能力検定」というコーナーがあります。四択の問題が一問出題されていて,下段に正答があります。気がつくと見る程度でしたが,ある時,まったく知らないことが出題されていました。それ以来注意してみるようになりました。 その問題の内容は中学生で習うようなことから聞いたことのないような事柄まであります。内容によって1級から5級くらいまでのランク分けがあり1・2級になると知らないことだらけでした。ニュースの検定ですから,新聞記事になった内容からの出題だろうと思います。自分ではよく新聞を読んでいるつもりでしたが,知らないことがたくさんあることに気付かせてくれます。読んでいるといっても自分で興味のあるところやわかるところだけを読んでいるのでしょう。分かるところ・好きなところだけなんて子ども達の勉強のやり方に似ているようです。少し反省,もう少し様々なことに関心を持つようにと思いました。しかし,あくる日は反省を忘れて分かるところを読んでいるようです。 新聞の読み方に限りませんが,興味や関心を広げることはなかなか難しいようです。年のせいでしょうか,徐々に新しいことを受け入れる能力が衰えてきているのかもしれません。年齢よりも,同じことの繰り返しで間に合っているという生活の方が大きいかもしれません。そんな中で新聞は新しい刺激を与えてくれる貴重な存在です。色々な記事を読むように心掛けたいと思います。 刺激といえば,毎日のように子ども達と接し彼らから刺激を受けている私だと思います。しかし,正直ついていけない部分が多々あります。携帯,ゲームや歌などさっぱり分かりません。おそらく,聞く程度しかできないでしょうが,できる範囲で無理をすることなく彼らの話を受け入れることができればと思います。ひょっとして何か新しい興味に出会う機会がないとも限りません。老化とボケ防止のためアンテナを張り巡らせ関心を広く持つことは必要でしょう。 さて,最初に書いた教材としての新聞ですが,授業でどのように使われているのでしょうか?使われていても成績と関係がないので塾で話題にならないのか,子ども達から新聞を使った授業の話を聞いたことはありません。もし授業で利用し子ども達が少しでも新聞に関心を持ってくれると良いでしょう。そして,私と同じように新聞で暇つぶしをすればよいのにと思っています。 しかし,忙しい子ども達は暇つぶしにすることがたくさんあるのでしょうから,新聞を読む暇などないのかもしれません。
————————————————————————————————————————— 2012年9月27日(木)No.286 夏休みまではちょくちょく顔を見せていたこの春の卒業生が来なくなりました。寂しいようなその反面ほっとするといった感じです。毎年のことですが,彼らは新しい環境に戸惑い,特に宿題の多さに悩まされるようです。特に数学には手を焼くようです。その安易な解決法が塾に顔を出すということでしょうか。中学を卒業して半年もたっていません。さほど長い時間がたっていませんが,みんな少し大人の顔になっていました。 やはり高校生になると,友人関係が広がりますし,公共交通機関を使った通学などでも世界が広がるといったことが関係しているのでしょう。でも最も大きい理由として周囲の接し方が中学生のころと大きく変わることかと思います。中学生まで子ども扱いだったのが大人として周囲が扱い始めます。そうしたことが,子ども達を短期間に大人にしているのだと思います。 一人前として扱えば必ず一人前になるわけではありませんが,大人として扱っていかなければ子どもはいつまでも子どものままでしょう。大人として扱うといっても突然何もかも,例えば経済的なことなど,大人になれるわけもありません。難しいことですが,少しずつ大人の手を離れ自分のことを解決していけるようになるのが望ましいのでしょう。 親は子どものことを心配します。心配するのは当たり前のことですが,どこまで心配すればよいのでしょうか?放任は困りますが,手をかけすぎも困ったものです。手をかけすぎに見えないかもしれませんが禁止事項の多いことを私は良くないと思っています。「禁止」だからやらないだけで,自分で判断していません。そもそも「禁止」すると言うことは「あなたを信用していません」というメッセージに他なりません。少しずつ様々なことやらせてあげれば,卒業生のように大人になるのにと思っています。 夏休みが終わり,新学期が始まれば卒業生はそれぞれの忙しい学校生活を再開します。また,高校生活に慣れ,勉強にもそれなりに対応できるようになったということでもあり,みんな自分で何とかやっているということなのでしょう。また,一歩大人に近づいたのでしょう。 ♥二学期が始まり一ヶ月が過ぎました。夏休みをはさんではいますが,新学期から半年が経過したことになります。新しい学校やクラスに慣れるこの時期にはたくさんの学校行事が予定されています。中三の学力テストなどの対策に追われる私など,どうしてこんなに行事があるのだろう?教科書のページ数が増え勉強内容が増えたのだから勉強に振り替えれば良いのに,何をするために学校に通っているのだろうなどと思ってしまいます。 教科書のどの内容も大切なことは言うまでもありませんが,特に二学期は内容が盛りだくさんです。1年生は授業がスピードアップしていないでしょうか?学校行事とはいえ,生活のペースを乱さないように心掛けてください。こんな調子ですから,子ども達が学校行事に追われるところもありますが,塾ではどの学年もクラスもみんな落ち着いて勉強に取り組んでいます。 ————————————————————————————————————————— 2012年8月27日(月)No.285 夏休みに勉強をしに来ていた高校生に,私が言ったことは「がんばってはいけない」でした。試験前など「がんばる」と子ども達はよく言います。大人も「がんばって勉強して」などと言います。勉強に限らず「がんばる」はどちらかと言えば,世間的には評価の高い言葉のようです。しかし,私には決して好きになれない言葉です。 まず,思うに「がんばる」とはどんな状態を指すのでしょうか。具体的に勉強を「がんばる」とはどんなふうに勉強をすることなのでしょうか?子ども達が「がんばって勉強する」というときは,質なのか量なのかはさておき,「普段やっているよりももっと勉強をする」というニュアンスだと思います。 大人が言う「がんばって勉強して」もそう変わらない意味かと思います。 極端な言い方ですが,普段に比べ異常に勉強するということでしょう。勉強は子ども達にとって楽しいことではありません。ですから,異常に勉強をすることは,いつもより大きな負荷がかかる状態だと思います。 次に,「がんばる」はどのくらいの期間であれば続けることが可能なのでしょうか?個人差はあるかと思いますが,普段やったことがなく,そのうえ大きな負荷がかかることを,どのくらい耐えることができるのでしょうか? 三日坊主という言葉があるように,私なら三日も持てばよいでしょう。もし続けることができたとしても,続けることそのものが新たな負荷になってくるのではないでしょうか? 勉強をしに来ていた高校生は2年生ですから,受験まで1年以上の期間,勉強を続けなければなりません。定期試験のための二・三日のがんばりなら可能かもしれませんが,1年以上の「がんばる」は可能でしょうか? 「がんばる」は,例えれば,普通に歩いていたのに,急に全速力で走るようなものではないでしょうか。普通に歩いても疲れれば休みます。全速力でどのくらいの時間を走り続けることができるのでしょうか。どうも「がんばる」とは「無理をする」というのと似たり寄ったりでないかと思います。 無理は続くものではありません。勉強を続けるためには,私は「がんばって勉強してはいけない」と思います。自分のペースを考えて徐々に勉強時間を延ばすのが長続きの秘訣かと思います。そして休息を忘れてはいけないでしょう。どんなに自分のペースで歩いても疲れてはきます。疲れたままでは能率も落ちるでしょうし,最後には続かなくなってしまうでしょう。 何をするのでも,全速力で走るように,自分にとってぎりぎりのことを休みなく続けることは凡人にはできません。自分の分にあったできることから始めることが大事だと思います。 どの程度が自分にあっているのかは難しいところがあるとは思います。やはり続けることができる時間や量が自分にあった勉強なのでしょう。ですから自分に見合う勉強は実際にやって見ないとわからないともいえます。まずは無難な少しの量で勉強を始めて見てください。座っていればいいのかといった感じがしますので,時間で追うのはあまりお勧めできません。 そして「休む」ということも忘れないでください。中3にとって受験まで半年ほどとなりました。短いといえば短いのですが,子ども達には結構な長丁場かと思います。息切れなどしないように休みも大切です。でも「ウサギと亀」のウサギのように休みすぎないことも大切なようです。 ♥「がんばる」で「いい加減」という言葉を思い出しました。「いい加減な人」など悪い意味で使いますが,「塩加減」や「湯加減」などは別に悪い響きはないでしょう。使っている漢字が「加える」に「減らす」ですから,増やしたり減らしたりで塩味やお湯の温度を調整するといった意味があるのではないでしょうか。 また,「遊ぶ」のは悪いことのように言われますが,昔から「よく遊び,よく学べ」と言います。「湯加減」を良くするように「勉強加減」と「遊び加減」を整えてなるべく長期間にわたり勉強を続けてほしいと思います。 ♥行事予定♥二学期は定期試験までに学校行事が盛りだくさんです。生活のリズムや勉強のペースを乱さないように注意して下さい。特に中3は9,10,11月と試験が続きます。「がんばって」くたびれて,もうだめなんてことがないように注意して勉強してください。 二学期が始まったばかりで,定期試験までに二ヶ月以上あります。まだ先のことのようですが,時間があるだけにワークなどためてしまうと大変なことになります。日ごろからがんばらない程度にやるようにしてください。 ————————————————————————————————————————— 2012年7月27日(金)No.284 この頃は子ども達に質問していませんが,数年前まではよく子ども達に「創成川の水と水道の水と,どちらがきれいか」と尋ねていました。久しぶりに聞いてみようかと思っています。 子ども達の反応は様々でした。当然のように「水道の水」と答える子もいれば,私がする質問ですから「創成川の水」と答える子もいました。「創成川」と答えた子は私とのつきあいが長く,私が天邪鬼であることを良く知っている子ども達です。さて,どちらの水がきれいなのでしょうか。 私は「水道」と答えた子ども達に「水道の水に金魚を入れるとどうなるか?」とたずねます。ほとんどの子は金魚が死ぬことを知っています。「じゃあ創成川の水に金魚を入れるとどうだい」と重ねて質問します。 金魚が生きる創成川の水を人間が飲めば,おそらくお腹を壊すでしょう。しかし,金魚が死ぬ水道の水でお腹を壊すことはありません。 このあたりでかなり子ども達は混乱するようでした。実は混乱させるために質問しているのですから意地が悪い私です。 子ども達の会話の中に「きれい」とか「汚い」という言葉は普通に出てきます。そして,私が子どもだったころの感覚とはあまりにもかけ離れていて,常識が変わったのだろうと思い,半世紀という年月を感じます。 私が子どもだった頃に比べ,現代は清潔になったのでしょう。当然ですが清潔にするため様々な工夫がなされてきたでしょう。 その一つが水道の水でしょう。水道の水は塩素という薬品のおかげで清潔になりお腹を壊す心配はなくなりました。しかし,塩素は細菌などを殺すだけでなく,金魚を殺すこともできる毒です。まさに毒をもって毒を制すでしょうか。 水道に限らず世の中は清潔になって病気が減ったのかと思いきや,昔はなかった花粉症だとかアトピーだとか新しい病気が出てきたりしています。科学者の中には清潔になりすぎて抵抗力がなくなったことが原因の一つだと考えている人もいます。そう言われると,はたして清潔さは良いことばかりをもたらしてくれたのだろうかと考えてしまいます。 こんなことを思い出したのは,計画停電がきっかけかもしれません。原子力発電は放射能という厄介なものがついてまわります。危険極まりない放射能は臭いもなければ色もなく人間の五感では感じることができないものでしょう。つまり,人間は汚いとかきれいとか感じることもないでしょう。ところが,人間には感じられないのですが,電力会社は温暖化ガスである二酸化炭素を排出しないからクリーンだと言っていたように思います。 テレビでみた昔の映画に「きれいは汚い,汚いはきれい」というセリフがありました。なんだか変だなと思いましたが印象に残ったセリフです。 きれいな水道の水には人が死なない程度ですが毒が入っていて,二酸化炭素の代わりに放射能の恐怖が着いています。 汚いよりはきれいが良いに決まっていますが,クリーンを手に入れるためには,やはり何か代償が必要なのでしょう。 そんなこともあり,子ども達のきれい汚いに一言はさんで見たくなる私です。単なる天邪鬼と言う声が聞こえてきそうですが,子ども達に尋ねてみようと思います。 —————————————————————————————————————————— 2012年7月2日(月)No.283 中学校の教科書が変わってから,初めての定期試験が終わりました。新しい教科書は内容が増え難しくなったといわれています。しかし,今回の試験範囲は,昨年も補助教材という形で含まれていましたので,特に複雑になり難しくなったとはいえません。従来のように,1学期の定期試験は範囲が狭く2・3年生には,試験勉強が少し楽だったかもしれません。 でも,1年生には定期試験がどんなものかよくわかっていませんから試験勉強は大変だったと思います。1年生の英語は数や曜日など覚えるべき単語がずいぶん増えましたし,理科は計算問題が出題される面倒な試験範囲でしたから,今までより難しかったかもしれません。 いつものことですが,得点通知表が子ども達に手渡されました。皆が皆ではありませんが,わざわざ持ってきてくれた子もいます。内容は平均点や偏差値といったものが何もなく,試験の点数しか書かれていないため,試験の難易度や子ども達の出来・不出来といった情報が何もありません。でも点数が良ければそれでよいとも考えられます。なんといっても点数を取ることは子ども達にとって自信になり励みになり,次の試験につながります。 いずれにせよ,学期末試験に向けて子ども達はよく勉強しました。今回も時間外の曜日や居残ったり早く来たりして,塾で問題練習やワークを完成させた子ども達がたくさんいました。 おかげで,2・3年生は目標点数をクリアした子,目標点数に届かなかったけれど自己最高点を取った子など試験勉強の成果があったと思います。これは試験勉強のみならず,普段の勉強の成果でもあると思います。にわか勉強の試験対策だけで自己最高点を越えることは難しいはずです。これからも,塾をしっかり利用して勉強を続けてほしいと思っています。 先ほど得点通知表のことを書きましたが,学年順位や学級での順位など,個人的に聞きにいけば教えてくれると思います。また,今月は三者懇談がありますから,そのときにでも聞けば教えていただけるかと思います。 ♥歯医者で誉められました。歯周病のチェックと思い立ち歯医者へ行きました。「歯周病の心配はありません。手入れがよろしいようです。」とお褒めの言葉をいただきました。別に手入れをしているとも思っていないし,意外な言葉に驚かされました。「前に,誉められた経験はいつのことだろうか」と思いましたが,久しぶりに誉められ好い気分になれました。子ども達の試験の難易度などと書いていますが,そんなこととは関係なく点数が良ければ誉めてやれば子ども達も気分が好いだろうと納得しました。歯医者は嫌いで本当に行くのが嫌な病院ですが,誉めてくれた歯医者さんに感謝しています。 ♥三者懇談♥学校で三者懇談が予定されています。子ども達の五段階評価を聞いてみてください。最終的な評価が出ていなくてもおよそのところは決まっていると思います。そして以下のようなことを確かめてみてください。 ◎試験の点数だけだと5・4・3・2・1のどの評価になるか? ◎試験の点数が4の範囲にあるのに3がついたりすることがあります。 ◎こんな時は,ワークやノートの点数が悪いことが予想されます。 ◎成績を上げるための対策を教えてもらってきてください。 クラス担任ではわからないこともあるかと思いますが,教科担任に調べてもらうことは可能だと思います。出来るだけ詳しい内容,ワークの提出がされていないのかそれとも内容が問題なのかといった具体的なことを聞いていただくとより参考になるかと思います。 昔々のことですが,同じような内容のことを私は息子の担任に尋ねたことがあります。若かった私の質問の仕方は,まるでけんか腰でした。 いけませんね,その場の雰囲気だけでなく担任との関係も悪くなるし良いことは一つもありません。「子どものため,どうすればよいか是非教えていただきたい。」そんな感じが出ていれば上出来かと思います。子どものことについて色々な情報を担任から教えてもらって下さい。
—————————————————————————————————————————— 2012年5月28日(月)No.282 明鏡国語辞典をひくと「物事がはっきりとした形態・内容を備えているさま。観念的なものではなく,個々の事物に即しているさま。」とありました。この説明からどんな言葉を調べたか予測がつくでしょうか。正解は「具体的」です。 国語に「具体的に書かれた部分や文を選ぶ」という問題がよくあります。子ども達に「どんな様子か,どんなものなのか誰もが判るように書いてある所だよ」などと説明しますが,今ひとつわかりにくいようなので,辞書をひいて見たのですが,説明する私のほうが混乱しそうでした。そこで,「抽象的」は「具体的」の反対語ですから「抽象的」を説明できれば良いとおもったのですが,堂々巡りになりそうな予感がします。実際,同じ辞書で「抽象的」をひくと「いくつかの事物・表象から共通する性質を引き出し,それを一般化して思考するさま。頭の中だけで考えていて,具体性がないさま。」とあります。抽象的の説明に具体性という言葉が使われていて,予想通り堂々巡りです。 「シャープペンシル,鉛筆,ボールペン」は一つ一つのものに対応していて形がはっきりとしています。しかし,「筆記用具」となると形はあってないようなものになります。あまり良い例とは思えませんが,具体的なものから少し抽象的になったといえるのではと思います。絵画でも具象画は何を描いてあるかがわかりますが,抽象画はわかりにくいものです。それと同じように「具体的」とは物の形などがすぐに思い浮かべることができるといってよさそうです。 しかし,わかりにくい抽象的なことといっても,具体的なものから切り離されていることはないはずです。辞書にあるように具体的ないくつかの事柄から出発し,共通点などを見つけて抽象があります。ですから抽象がわかりにくいのであれば,わかりやすい具体的なことを考えると抽象を理解する手助けになるのではないでしょうか?「筆記用具」がわからないのであれば,「シャーペン」と言い換えるような調子でしょうか。 子ども達にとって整数は具体的でわかり易いのですが,少数や分数はちょっと抽象的でわかりにくくなるようです。文字になると具体的な計算をしない場合もあって,もっとわかりにくいようです。上手に解けない子ども達を見ていて気になったことがあります。どうも,子ども達にとって整数と少数・分数は別物のようなのです。例えば,「3mのパイプの重さが6㎏です。このパイプ1m.の重さは何㎏ですか」という問題は解きますが,mと㎏が少数や分数になると解けなくなったりします。まして文字となるとおかしな事が始まります。 子ども達は問題を読み,少数・分数や文字の部分を整数にして考えてみるといった作業はしないようです。少数・分数や文字といっても具体的な整数の問題と関係なく成り立っているわけではありません。整数で掛け算を使う問題は文字に変わっても同じように掛け算を使います。 どうして子ども達が整数と文字を別物のように考えるのか?また,具体的な数字を思い浮かべるといったことをしないのか?何度か間違えると難しいと思う,難しいから練習もあまりしない,練習もしないから間違える,間違えるから……といった悪循環でしょうか? 何とか悪循環を断ち切り,解けるようにするにはどうすればよいのか?先ほど練習と書きましたが回数を重ねると何とかなるという問題ではないと思います。具体的に考える習慣をつけなければいけないように思います。筆記用具といわれれば,鉛筆・ボールペン・シャープペンなど思い浮かべるように,x人とあれば3人だったら5人だったらと具体的に考える習慣を身につける必要があると思います。イメージを作る練習といっても良いかもしれません。 イメージを作るということは,他の科目にもいえます。 例えば,理科の原子や分子・イオンといったものがあります。小さすぎて目に見えません。ビー玉のような粒のイメージを持ってもらえればと思いパズルをしたり,お話をしたりしています。 また,昔の話である歴史の勉強は見たことも聞いたこともないものがたくさん出てきますから,こうした作業が。必要だと思います。実際,歴史を扱ったゲームから具体的なイメージを持っている子ども達もいます。 ゲームなどに負けないよう,私も子ども達が想像できるように,関心を持ってもらえるような説明が必要なのでしょう。 ♥明鏡国語辞典と書きましたが正しくは明鏡モバイル国語辞典で携帯電話についている辞書です携帯の辞書といえども役に立ちました。携帯の辞書も良くなってきているのだと感じさせられました。
—————————————————————————————————————————— 2012年4月24日(火)No.281 子ども達の勉強を見るということは,子ども達の間違いを探すという面があります。間違いを指摘し,次から間違えないようにすることが点数を上げることにつながるからです。それでなくとも,誰もがしたくはない間違いです。しかし,神ならぬ人間です,どうしても間違うことはあります。間違いのない人間などありえないでしょう。しかし,だからといって間違ってばかりはいられません。何とか間違いを減らさなければ点数は上がりません。 間違いを減らす一つの手立ては熟練でしょうか,慣れてくると間違いは減るでしょう。そのため,計算や漢字の書き取りの練習がなされているかと思います。これは間違わない為の方法といってよいでしょう。しかし,如何に熟練しても,人間は間違います。 間違いをしないように用心することは必要です。しかし,間違いはあるものです。ですから,どのようにして間違いを見つけるかが大切になってくるかと思います。言うのは簡単ですが,実行となると難しいものがあります。私など他人の間違いはすぐに気がつくタイプで,新聞の誤字や脱字を見つけるなど,あら捜しはとても上手です。しかし,自分の間違いとなるととたんにダメで気がつきません。子ども達も同じで,隣の子がした間違いはすぐに気付きます。しかし,同じ間違いを自分がしたときは,なかなかその間違いを見つけることができません。普通の人は,自分には甘くできているようですが,何か間違いに気付く方法があればよいのでしょう。 間違いには,私であれば私の,子ども達には子ども達なりのパターンがあるかと思います。自分はどこでどんな間違いをするかというパターンがわかっていれば,チェックを入れることができると思います。とはいうもののなかなかつらいものがあります。自分の間違いを直視しなければならないのです。 そうしたパターンとは違いますが,先日,理科の勉強をしているとき,私は間違えた答を子ども達に言ってしまいました。幸い,すぐに気がつき訂正できました。どうして気がついたかといいますと,次の問題を読んだからでした。これなどは,道を間違えたときなど,いつもの風景との違いに気がつくのと同じように先に進むことで見つけることができたといえるでしょう。気がつけば,元へ戻り正しい道順を探せばよいことです。 ところが途中で引き返すのも難しい点があるようです。よく見かける子ども達の間違い方です。方程式の文章題などを解いているときなどに見られる不思議なことがあります。人数や個数を求める問題だと,答は分数やマイナスの数に普通はなりません。もし,計算の途中で割り切れないと気がつけば間違っているといってよいでしょう。ところが,割り切れなくともまったく気にせず,割り算を続けたりすることです。いつか割り切れたところで正解ではないはずです。気がついてもやめられないのでしょうか? いつ自分の間違いをどこで認めるのか,間違いを認めるのはつらいものです。そんなところにも間違いを減らすことの難しさがあるかと思います。 勉強に限りません。どこが誤りでどう訂正すればよいのか,大人も四苦八苦しているような世の中です。子ども達だけに要求しても,大人が良いお手本を示さなければうまくいかないものなのでしょう。もし,良い方法があれば,私もぜひ教えてほしいものだと思います。 ♥塾の宿題♥中1と中2は進度に合わせプリントも宿題を手渡しています。中3はゴールデンウィーク中に少しずつ復習をしてほしいと思い,プリントの他に理・社を中心に1,2年の復習を宿題にしてあります。 ♥宿題は必ず答え合わせを,そして間違いを丁寧に見直してください。同じ間違いをしないように,どこをどう間違えたのか丁寧に答え合わせをしてください。次に生かすための勉強です。くれぐれも間違いを大切にしてください。 ♥新学年が始まり,子ども達は張り切っています。張り切りすぎて疲れないようにと言いたいほどです。これから一年,長丁場の学校生活です。中3くらいになれば大丈夫ですが,抜くところは上手に抜いて疲れをためないようにしてください。特に中1は中学校の環境に慣れるまで大変かと思います。先生が入れ替わるなど小学校との違いに戸惑っていると思います。中学校についての愚痴をこぼすといったこともあるかと思います。「そうなの,そうなの」と聞いてあげるだけで子どもはリラックスできるようです。子ども達の話を良く聞いてあげてください。 ♥新学年が始まり,そろそろ1ヶ月になります。学校の活動や部活動で帰りが遅くなり,食べる時間がなく,おなかをすかしたまま塾に来る子ども達がいます。「腹が減っては戦ができぬ」で,勉強に差し支えます。コンビニで何か買ってという方法もなくはありませんが,健康面から考えると,おにぎりやチョコなど軽い食べ物を持たせていただければと思います。また,飲み物なども持たせていただいてかまいません。ただし,飲み物は,水分補給と考えると,スポーツドリンクかお茶がよいかと思います。
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