ごあいさつ
通信Back number 2011年4月~2012年3月
2012年3月26日(月)No.280 高校受験が終わりました。子ども達には「それって,自慢」と言われそうですが,この春は「やったね!」と言いたくなる受験でした。 受験勉強,勉強とは言いますが、実態は点取りゲームです。如何に上手に点を取るかを競う点取りゲームです。今年の受験勉強は,作戦が図に当たりました。その結果,みんなは本当に効率よく点数を取ったと,私は思っています。作戦を考えるのは私かもしれませんが,それを実行するのは子ども達ですから,子ども達は自分の実力や得意科目を考え,よく勉強したと思います。 点取りゲームは,まず目標点数を設定することから始まります。これは志望校が決まっていれば自動的に決まります。点取りゲームを始めるには,志望校を決めることは大切なことです。五教科合計300点満点で何点を取るかを決めると,次に得意不得意を考慮して科目ごとの目標点数も設定します。決して得意科目と同じ点数を不得意科目に期待してはいけません。 点を取り合う受験というゲームは,何点でも点数が取れるかもしれないバスケやサッカーなどのスポーツと違い点数に上限があります。点を取り合うというよりは,点数を取りこぼさないといったほうが正しいのかもしれません。 いえ,如何に失点をするか,と考えたほうがゲームに勝つ確率は高くなると思います。目標点数は,裏を返せば,何点まで点を落としてもよいかという設定を考えることです。満点を取らなければ入れない高校などありません。しかも合計で競いますから,点数の悪い科目があっても他の科目で補えばすみます。どの科目で何点まで捨てることができるのか?それが決まれば,するべき勉強の内容も決まってくるかと思います。 子どもによってどの教科のどの単元を捨てるか違ってきます。私は子ども達にここを捨てたほうがいいよとアドバイスをし,子ども達は自分でもよく考え上手に捨ててくれたと思います。その結果,全員が好い春を迎え,私とおばさんは「やったね!」と祝杯をあげることができました。おいしいお酒を飲めたことを,受験生のみんなに感謝しています。 さて,高校受験は今年で終りではありません。来年もあります。新しい受験生も目標を定め,如何に捨てるべきか考えてもらわなければなりません。 捨てるためには当然,出題パターンなども知っておく必要がありますが,まず志望校を決め目標点数を設定し捨てることが可能な点数を考えることから始めましょう。次に、得手・不得手とは関係なく理科・社会で点数を確保することを考えてほしいと思います。特に社会は勉強がやりやすいのと繰り返しで覚えると点数につながる科目だと思います。今年は易しくなったとはいえ,裁量問題の導入後、特に数学での高得点は期待しないで,理・社で確実に点数を稼ぐと楽になります。新年度の点取りゲームの始まりです。心して取り組みたいと思います。 ♥点取りゲームについて書いてきましたが,ゲームにはランクという参加資格が必要になります。まずはランクを確保しなければ同じスターラインに立つことができません。サッカーならJ1とJ2に分かれているようなものでしょうか?サッカーほどはっきりとした線引きはありませんが,高校ごとにランクが決まっているのが実態です。どうしてもとランクがないのに参加することは可能です。しかし,他の受験生よりもかなり後方からスタートしなければならないでしょう。 ランクを決めるシステムは次のようになっています。中学に入学したときは持ち点が315点です。5を取れば持ち点はそのままですが,5より下は減点されていくというシステムです。一年生で3がつけば,7を取れれば別ですが,その失点は取り戻すことはできません。まあ,なんとも冷たいシステムです。 ♥入試が終わり、受験生は良い春を迎えました。そして笑顔の卒業生と久し振りにスキーに行きました。お彼岸の時期にしては寒く、雪が降りお天気に恵まれませんでした。しかし、受験から解放された受験生はスキーも夜の盤ゲームやトランプも楽しめたようです。スキーを一緒に楽しんだ私は翌日まで筋肉痛でした。翌日はというと高校の予習をしましたから、結構ハードなスケジュールでした。高校生活は楽しみなようですが、予習はつらいでしょう。楽あれば苦ありです。苦しい受験勉強の成果として第一志望校に合格がありました。苦しいことは楽しみを際立たせる隠し味でしょうか。予習も是非そうあって欲しいものです。
♥今春の高校入試…社会が難しくなるのは予想通りでしたが、数学はやさしくなりました。特に裁量問題が易しくなったのには驚かされました。理科も計算問題が予想外に少なく、昨年よりは点数が取れたのではないかと思います。英語は出題形式に変化がありました。長文の一題が小問集合になりました。来年度はどのようになるのでしょうか?国語も英語同様に詩の出題がなくなるという変化が見られましたが、書く力重視の出題傾向に変わりはないようです。 ————————————————————————————————————————— |
2012年2月27日(水)No.279
「問題文をよく読んで」と子ども達に言います。塾に限らず学校でも言われているでしょう。「よく読む」とはどのように読むことでしょうか?昔から「読書百遍,意おのずから通ず」といいます。何度も読めば,よくわからなかった文章でもわかるようになるといった意味です。回数ではなく熟読するといった意味のようでもあります。では,意味のわからない問題文をよく読めば解けるのでしょうか? まず,書かれた内容がわかれば「熟読」した「よく読んだ」といえるのでしょう。回数を読むのはさほど難しいことではありません。子ども達に指示すると子ども達も簡単に実行できるでしょう。しかし,本当に回数だけで内容がわかるかといえば怪しいものです。 また,文章を読むのに「行間を読む」などとよく言われます。書かれたことから書かれていないことを読み取るといった意味でしょうか。これは言うのは易しいのですが,子ども達に具体的な指示を出すとなると難しそうです。具体的にどうすることなのかを説明しづらいのです。 指示しやすいものとしては,書かれたことを他の表現に換えてみるという方法です。例えば,「60円の消しゴムを3個買った」は「180円お金を支払った」と読み換えます。子ども達にとってそれほど難しいことではありません。しかし,指示なしに,子ども達が読み換えるかどうかは,別の問題となります。つまり,私が「いくらかな」と聞かなくとも「60円の消しゴムを3個」から180円を計算するかどうかはわかりません。計算はできますが,するとは限りません。 同じようなことで,「二等分」という言葉からは,「一つのものを同じ大きさで二つに分けた,つまり,同じものが二つある」と読みかえればよいわけです。また,数学の証明問題の文中に,平行という言葉がよく出てきます。これは,「等しい角があるよ」と読むことになります。しかし,この後,子ども達が何と何が同じかを確かめるかどうか,これもわかりません。このように,読み替えるという作業には,計算をしたり図を見たりといった作業が伴います。しかし,子ども達は読むことの中に計算や図を見ることを含めていないようです。今のところ,読み換えるために,多くの子ども達に私の具体的な指示が必要といえます。最終的には子ども達が,計算したり図を見たり,自分でできることを私の指示がなくてもできるようになることのようです。指示に従ってするのが学校の授業や部活のようですから,指示なしでなにかをすることに,子ども達は慣れていないようです。しかし,試験のときに誰かが指示を出してくれることはありえません。 指示なしでしなければならないことの一つに,連想と予想といった作業が必要です。平行四辺形という言葉一つをとっても,関係する定理が十ほどあります。定理を連想し,問題文を読みながらどの定理を使うか予想しなければなりません。子ども達は定理を覚えているのですが,どれを使うとか予測をしていないようです。持っている知識の活用を考えないといってもよいでしょう。文中の言葉から何を思い浮かべ,どう活用するか,これも練習が必要なのでしょう。 子ども達がうまく問題を読めるように,上手に指示を出し,私の指示なしでできるようになってほしいと思っています。 ♥新学年から中学の教科書が変わることは,すでにご存じのことと思います。数学・理科は学習内容が増え教科書のページ数が1.5倍ほどになります。英語も単語数や文法事項が増えます。私のところに教材会社から新しいテキストの見本が送られてきています。軒並みページ数が増え,どのテキストも厚みを増しています。当然,覚えることは増えます。そしてその活用となれば,もっと増えることになるでしょう。おぼえることも大切ですが,知識の活用のほうにも,力を入れなければならないと思っています。 ♥インフルエンザで学年・学級閉鎖になり,学年末試験が延期された中学がありました。10年ほど前にもあったことですが,試験勉強の時間が増えて,たくさん勉強できてよかったといえそうです。今のところ子ども達の報告では,それなりに点数は良かったようです。 ♥受験生は,毎週土曜に模擬試験をしています。順調に力をつけてきていると思います。もうすぐ公立の学力検査ですから,体調管理に注意して下さい。万全の体調で実力を十分に発揮すれば,全員が合格できると思っています。 ————————————————————————————————————————— |
2012年1月26日(木)No.278 冬の講習が終りました。中2の社会は「日本の戦争の歴史」という小冊子を今回も使いました。3学期以降の内容で予習ということになります。歴史に少しでも関心を持ってもらえればと使っています。内容は,明治維新以降の日本と外国との戦争について書かれた本です。 子ども達に一段落を音読してもらいながら進めていきます。お話の中に「どこの国と戦争をしたと思いますか」,「何年に戦争が始まったか」,「当時の人はその戦争をなんと呼んだ」,「主な戦場はどこだった」などの問題が挿入されています。そして問題の次のページに解答の書かれたお話が用意されているといった形式です。教科書とは違った切り口からのお話で,正露丸の話が出てきたりして,結構子ども達は楽しんで読んでくれたかと思います。 問題には選択肢が用意されていますし,わからなければ適当に選んでよいことにしてあります。子ども達が答えを選ぶときは,相談しても良いことにしています。また,知っていることがあれば発言して参考にするようにもしています。戦争について子ども達はほとんど知りません。まれに,おじいちゃんから話を聞いたことがあるという子がいる程度です。私も戦争を知らない平和を享受した世代で,子ども達と同じように戦争がないのが当たり前です。しかし,明治維新のすぐ後から,日本は忙しいほど戦争をしてきました。そして,戦争が終わるごとに世の中が大きく変化したようです。ですから,いつどこの国と戦争をしてきたかを知ることは歴史の勉強にとても参考になります。 「日本の戦争の歴史」の内容は何部かに分かれています。教科書の内容と合うのはその一部だけです。最後までやりたいとは思うのですが,半分程度しか読んでいません。時間の制約と定期テストには,まず出ることがない内容なので残念なことですが最後まではできません。やむを得ず子供たちには,自分で読むように話しています。もし,よければお父さんやお母さんにも読んでほしいと思います。雑学としてなかなか面白い内容ですし,子ども達と共通の話題を持っていただくのも良いかと思います。 地理や歴史は関心があれば,テレビの番組には歴史ものや旅行番組も多いようですし,色々な形で接することにより苦もなく覚えることができるようです。しかし,みなが関心を持っているわけではありません。聞いたことのない地名や今の生活と何の関係もなさそうな昔の出来事などに興味を持つことは難しいかもしれません。それでも勉強しなければなりませんから,お話の中から何か少しでも感じてもらえればと思い「日本の戦争の歴史」をやっています。 そして6年生は中学の準備として小学校では,ほとんど世界のことを勉強していませんから,世界地理の勉強をしなければと考えています。行ったことも見たこともない地域の話になります。知らない国だけど,どんな風景で同い年の子ども達がどんな生活をしているかと想像でもしてくれればと思っています。 私も知らない世界の話です。子ども達と一歩に想像をめぐらせ楽しく時間を過ごすことができるとすばらしいと思っています。 ♥受験生の生活…中学からのお知らせや新聞のコラム欄などに書かれ,すでにご存知のことと思いますが,参考までに書きました。 • 入学試験は朝から昼間に行われます。昼型の生活リズムにしましょう。 • 規則正しく食事をすることが,一日の生活のリズムを整えるコツです。 • 特に,朝食を抜かないようにしてください。朝食抜きの受験は、まず間違いなく失敗するでしょう。 • 脳は糖分しかエネルギー源にできません。 試験の朝は、炭水化物をたくさん取るのがいいようです。ただし,砂糖分では,昼前にエネルギー不足になることがあります。 ご飯,パン,バナナ等で炭水化物をとり,体を温めるためにタンパク質が豊富なみそ汁,牛乳,卵などがよいでしょう。 そして,脂肪の多い肉類は控えめにしましょう。 入試にそなえ,生活リズムを整え体調には十分注意してください。
♥受験生に限らず,子ども達には朝食や十分な睡眠は必要です。落ち着いて勉強するために,朝食を食べる習慣を身につけ,生活リズムをつくりましょう。 ————————————————————————————————————————— |
2011年12月25日(月)No.277 「計算するやつ間抜け」と計算が嫌いだった私は子ども達によく言います。算数も数学もたくさんの計算練習を子ども達はしてきました。これからもすることになるでしょう。そして正確に速く計算ができるようになることは悪いことではありません。どちらかといえば良いことでしょう。良いことですから,計算練習にケチをつける人はあまりいないようで,天邪鬼な私くらいかも知れません。 小学2年で九九を覚えさせられます。子ども達を見ていると九九を速く唱えることは良いとされ,ずいぶんと練習をしてきたようです。遅いよりは速いほうが良いかもしれませんが,九の段の不思議な数の並び方や偶数しか現れない段など,数や数字をながめることがおろそかになっていると思います。子ども達は確かに九九を速く言えるようになりますが,代わりに何か大切なことがするりと抜けていくように思います。その結果,ゼロの掛け算・割り算そして小数や分数の計算をうまくできない子ども達を生み出しているように思います。 計算は最後に答えを導くための手段であって必要なものです。ですから練習はやらなければならないのですが,計算そのものが目的ではないはずです。計算が目的であれば人間よりも百均で売っている電卓のほうがよほど優れています。電卓のように計算するなんて意味がありません。そもそも電卓は自分では計算ができません。人間が計算法を指示し,それに従って掛けたり割ったりしているだけです。子ども達が目指すべきことは自分で計算法を決めることなのです。手順を考え,そして式を作ったりすることが必要です。そして,数や式をながめ,その仕組みを考えていくと,電卓とは違った計算方法があることに気がつくかもしれません。 例えば,みんなが苦手にするものに単位の換算があります。子ども達は千や百を掛けたり割ったり,闇雲に計算する子が多いのです。実は,位取りを考えれば簡単にできることで,位をそろえて書いて自分の目でよく見ればすぐにできることです。計算さえすれば答えが出る,計算が終われば問題は解けたと勘違いしているように見えることもしばしばあります。 計算は最後に答えを出すためにすることです。計算をする前にしなければならないことはたくさんあります。答えはプラスかマイナスか,割り切れるだろうか,約分はあるのかないのか,因数分解ができるのだろうかたくさんのことが式を見るとわかるはずです。そんな訳で,何事もないように計算を始めるのを見るとつい「計算するやつ間抜け」と言いたくなる私です。 「間抜け」など,あまり良い言葉遣いとはいえません。もっとお上品な言葉がありそうな気もします。しかし,良い表現が見つかりません。当分の間,品性に欠けると思いますが「間抜け」を使い続けることになりそうです。 ♥小学生の国語について,どんな教材を使えばよいか困ったことがあって,何度か書いたことがありました。しかし,今はなかなか面白い教材が見つかり,それを使用しています。中学受験に対応して,少しレベルが高いといえます。しかし,よくできているテキストが見つかりほっとしています。
♥懇談には,たくさんのお母さんお父さんに来ていただき,子ども達の様子を聞かせていただきました。師走のお忙しい中ありがとうございました。子ども達のことを思う気持ちを上手に子ども達に伝えられればと思っています。また,聞かせていただいたお話を参考にし,冬休みの講習など今後の勉強を進めていきたいと思います。なお,お忙しくて懇談にこられなかった方は,いつでもご連絡くだされば時間をとりたいと思います。
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2011年11月28日(月)No.276 先月も書きましたが,中学の教科書のお話です。内容が増えページ数も大幅に増加します。そして,増えた内容は「ゆとり教育」以前にあったものですから、私にとっては目新しい内容ではありません。以前と違って目立った違いは,数学や理科では教科書の問題の量を増やしていることでしょうか。そのため,授業時間数の増加に比べページ数はずいぶん多くなっています。つまり,学習内容が増え,演習量も増えます。説明会では,教科書が参考書のようになったという声も聞こえました。はたして,教科書の問題がどのようなレベルなのかわかりませんが,増えた問題が易しい内容ばかりとは考えにくいでしょう。 そこで,気になることは,学校の授業で教科書の問題を全部こなせるのだろうかということです。私は教科書の問題をすべてやらなければならないとは思いません。しかし、すべてをやらないとすると、どのレベルの問題を中心に授業を進めるのか,また宿題を増やすとか教科書の利用の仕方といったことも考えなければならないでしょう。となれば,中学により,ひょっとすれば先生により,どの問題を練習するかが違ってくることが予想されます。 私としては,授業でふれなかった問題は定期テストに出さないのだろうかといったことが気になります。ましてや入試はどうなのだろうか?教科書に載っている問題が入試に出ない,そんなことはありえないでしょう。 もっと気になったのは中1の英語の教科書です。 今までの英語の教科書は,建前として,子ども達が「初めて英語に接する」として作られていました。しかし,今は小学校に英語が導入されています。新教科書の建前は「英語に親しんでいる」ということになっているようです。 小学校の英語の内容がどのようなものなのかは,これも学校により先生により異なるようです。塾の6年生に英語の授業のことを聞くと,「英語を使ったゲーム」の時間のような感じです。親しんでいるのかもしれませんが,読み書きはまったくやっていませんし,テストはなく成績はついてきません。成績がつかないので,子ども達は喜びますから「親しむ」ことにはなります。 しかし,中学になると,読み書きや成績がついてきます。現在の入試は読み書きなしには考えられません。「親しんでいる」とはどの程度のことを考えて新教科書はできているのかが心配です。 教科書の内容をよく見ないとわからないし,実際に始まってみないとわからないことばかりです。学校は授業時間数を増やせますが,塾では時間を増やすことは物理的に不可能です。今まで以上に如何に効率よく学習を進めるかが問われ,私に様々な工夫が要求されているようです。 ♥教科書や教材の話のほかに今春の入試の話がありました。 問題の難化は続くようです。特に数学の裁量問題は難しく得点率は相当低いとのことでした。英語・国語はそれなりの得点率でしたから,しっかり長文に対応する必要がありそうです。問題によっては部分点を狙うとか,しっかりと方針を考えて受験に臨む必要がありそうです。 また,理科が計算問題・完全解答が増え平均点が下がりました。これも易しくなりそうにありません。取れるところは確実に,計算問題の練習は今まで以上に必要になりそうです。社会は易しかったのですが,来春はどうでしょうか?記述問題と完全解答が減ることはないでしょう。 そして,今春の入試には,補助教材として扱われている新教科書の内容が出題されました。正答率は低くはなく,それなりに対策が行われていたといえます。ただ,理科は計算問題などが多くある分野からは出題されていません。来春は気になるところです。 中3は当然ですが,1・2年生も普段から,簡単な記述問題,数学の文章題や理科の計算問題の練習を心掛けておかなければいけないでしょう。 ♥定期テストが終わりました。入試は難しくなりましたが定期テストはどうなのか,よくわかりません。そしてなぜか,進度が中学によって相当異なっています。同じ中学でも速い学年があれば遅い学年もあります。指導要領が変わることへの対応が中学や教師集団によって違っているということかもしれません。
こんなことは子ども達とは関係のない話ですから,子ども達が点数を取れるように工夫をこれからもしていかなければと考えています。 ————————————————————————————————————————— |
2011年10月25日(火)No.275 道新の「卓上四季」や「朝の食卓」は好んで読むコラム欄です。その他に楽しみにしているコラム,北大歯学部の兼平孝氏が水曜の朝刊に連載している『ためになるお口の話;』というのがあります。 お口の話として,食べることについて書いてありました。その話題の一つに,食べ物をかむ回数や食事にかける時間のことが書かれていました。実際に食事内容を復元し,実験したそうです。まあ,様々な実験があるものです。 その結果は,現代は柔らかい食べ物が多いこともあって,620回かみ食事に要する時間は10分程度,硬いものを食べていた50年以上前は1400回で20分程度,弥生時代だと食事内容から4千回で50分程,どんどんと回数が減り時間が短くなっています。食事をよくかみゆっくり食べるように改善すると健康によいということ,その理由などが書かれています。まあ,考えれば,食事に限らず,何事もゆっくりと時間をかけるとよいことはたくさん在るかと思います。 しかし,食事に限らず,今の時代はスピードが要求されているようです。今,こうしてパソコンを操作していますが,画面表示が遅いとイライラしてしまう私です。子ども達の生活を見てみると,学校は行事が目白押しで,今も合唱コンの練習に追われているでしょうし,昔に比べ忙しいように思います。そして学校が終われば塾だの習い事だのと大変です。ゆっくり食事をしている時間がどこにあるのだろうといった感じでしょうか。 そして,勉強はとなると,試験があります。当然ながら,試験は時間が限られています。問題を解くのもいそがしくなります。問題の文章を読むのもいい加減になりがちで,答えを書くことが忙しくなります。どうかすると,あまり噛まないと消化不良を起こすように,妙な答えを書いたりしてしまいます。 「時は金なり」といいますが,「いそがばまわれ」とも言います。子ども達を見ていると,普段の練習は,あわてず丁寧にやるほうが試験のときに良い結果が出るようです。じっくりと時間をかけ問題を解いてみることが大切と思います。 何かと忙しい子ども達ですが,定期試験までは,いま少し時間があります。今から少しずつ丁寧に練習をしてほしいと思っています。 私はといいますと,子ども達が考えているときについ口を挟んでしまうといったことがあります。年とともにせっかちになっているかもしれません。ゆったりと待つ気持ちが大切のですから,注意しなければなりません。 ♥健康に関係するお話から連想したことです。今の時代と生活を反映しているのだろうと思います。この記事を読んでから,ゆっくりと噛み時間をかけるように心掛けています。しかし,長年の習慣もありますから思ったよりは難しいのです。でも,ゆっくり食事をすることから,他の精神的なことにも好い影響があるような気がします。ですから,何とか実践したいと思っています。 なお,ゆっくりした食事はダイエットにもよいそうです。コラムのコピーがありますので,詳しく知りたい方はお知らせください。 ♥来年度から中学の教科書が,新指導要領に合わせ,内容の増えた分厚いものに変わります。教材も当然変わりますから,教材の各出版社は新しい指導要領と新教材の説明会を開きます。今回は,「ゆとり」からの転換ということで各社とも説明会には力を入れているようです。私も,知らないわけにもいきませんから,一通りのぞいておかなくてはと思っています。 すでに先日,説明会があり,出席して来ました。出席数は多く盛況だったようで,塾関係者の関心の高さが現れているといえます。内容としては,新指導要領は以前からわかっていることですから,特に耳新しいことがないと言えなくもないのですが,新教科書の内容を一部なりとも見聞きできたことは参考になりました。数学など,演習量を増やす方向がはっきり教科書にもでていました。その他,ノートの取り方の指導などが書かれた教科書もあるそうです。近辺の学校ではプリントが多用され,子ども達はノートをとることが減っているのは間違いないようです。一体,学校現場ではどのように対処していくのでしょうか? これから実施される説明会にも出席する予定でいます。通信を書く材料になりそうな,何か目新しいことを聞かせてもらえるかと期待しています。
♥中3学力テスト総合Bが終わり,得点通知表が子ども達に手渡されたと思います。点数があがった子いれば下がった子もいて,難易度についてはよくわかりません。しかし,5教科総合の平均点がAと比べあまり変わらなかったようですから,同じような難易度だったのかもしれません。 夏休みに勉強をしに来ていた高校生に,私が言ったことは「がんばってはいけない」でした。試験前など「がんばる」と子ども達はよく言います。大人も「がんばって勉強して」などと言います。勉強に限らず「がんばる」はどちらかと言えば,世間的には評価の高い言葉のようです。しかし,私には決して好きになれない言葉です。 ————————————————————————————————————————— |
2011年10月3日(月)No.274 子ども達に「問題を読んだら,何か思え」と言うことがあります。これだけでは私が何をいいたいのか子ども達にうまく伝わらないことははっきりしています。 「何か思え」の具体的な内容は数学の関数の勉強だと「式を見たらグラフを思え,グラフを見たら式を思え」といったことです。英語なら「日本語にしてみる」などでしょうか。様々なパターンの問題がありますから,他の適切な表現が思いつかず,つい使ってしまいます。 小6の算数で,みんなが嫌う「速さ」の単元の勉強をしています。公式が書いてあり,それを覚えなければなりませんし,子ども達は覚えています。しかし,問題を解いている子ども達を見ていると「時速とは一時間にどれだけ進むかをあらわす」ということを思っているのだろうかと思ってしまいます。車の時速が100メートルとなっても平気なのです。こんなときも「何か思え」と使います。 時おりすることで,「雪が降ってきた」と書き,子ども達に「これから,何がわかる」と聞きます。私が質問すれば,寒いとか季節や場所を考えますが,何も質問しなければ,「雪が降ってきた」としか答えない子が多いのです。私が「1本60円の鉛筆を5本買った」と書いても,質問しなければ300円と計算しない子も結構います。私が質問すると答えられることですが,自分で能動的に思うことをしないようです。問題の文章には,「代金はいくらですか」と書いていなくとも代金を出さなければ解けない問題は普通にあります。問題文に書いていなくとも何かに気がつかなければ解けません。そこで「何か思え」とまた私が言うことになります。 ゲームやスポーツをしているときは色々と思うことがあるのでしょうが,勉強となると何も思わないようです。これは,好きでない勉強ということがあるにしても練習が足りないように思います。「思う」ということは計算,漢字や英単語の練習を普通にやっていても身につきようはないでしょう。 試験の問題には必ず答えがあります。答えが出るように作られているといったほうが良いでしょう。問題文に書かれているのは解くために必要な事柄です。例えば,どうしてここに「平行」と書いてあるのだろうかと「思う」ことから問題を解くことが始まります。そこで何も思わなければ解けません。問題を作った人は何故この言葉を使ったのだろうかなどと考えることは,確かに簡単なことではないと思います。 私独特の表現になりますが,書いてあるとおりにしかできない「素直な良い子」ではいけないのです。「裏を読む」といった子どもらしくないことを要求しているといえるかもしれません。よく言えば,「いわれた以上のことに気がつく,とても気のきいた子」になるということでしょうか? テレビなど映像で何でも見ることができるようになり,言葉だけで想像するということが少なくなっていることも関係していると思います。しかし,私が質問すれば答えられることすらしないのは,普段から「思う」ことをしていないという証拠のように思います。ですから,「何か思う」ように心掛ければ少しは違うように思えてなりません。 ♥中3学力テスト総合Aが終わり,得点通知表が子ども達に手渡されたと思います。進学舎の集計による平均点は次のようになっています。 五教科計…161点 国…34点 数…29点 社…33点 理…34点 英…31点 子ども達の通っている中学の平均点より高くなっていると思います。これは,進学舎の集計した子ども達のレベルが上に偏っているせいで,中学のレベルが低いことを表しているのではありません。 SSをみると,北・西・開成などを目指す上位層には簡単で,中下位層には難しかったようです。そして,春の入試と比べた難易度は,裁量問題に比べると相当簡単ですが,標準問題と比べるとSSのとおり中下位層には難しかったようです。 全体としては,あまり難しいテストではなかったのですが,誰もが点数を取れる簡単な問題は少なかったといえます。学力B,Cも同じような傾向が続くでしょう。 —————————————————————————————————————————— |
2011年8月30日(火)No.273 「順序よく丁寧に」子ども達によく言います。私もそうですが,「面倒だな」と思ったり時間に追われたりしていると,ついつい手抜きをしたくなります。そして,ほとんどの人が「楽をしたい」と思っているのではないでしょうか? 私など,すぐに一度に何とかならないかと思ってしまいます。そんなことを考えている時は,いましなければならないことに集中していません。そのため,何か不注意があって失敗することが多いようです。結局は,順序よく丁寧にやったほうが早くできる,「急がば,まわれ」というような結果になります。 子ども達にも,私と同じように「楽をしたい」という気持ちがあって当然です。しかし,残念ながら問題を解くときは楽な方法というものは,特殊な解法のある問題はあるにはありますが,ほんのわずかでしょう。「学問に王道なし」とはよく言ったものです。でも,凡人である私などすぐに「王道」を探したくなります。 子ども達の4倍ほどの年数を過ごしてきた私ですらそんな調子です。何もかもが便利で楽にできるようになっている時代です。子ども達が楽をしようと思ってもやむを得ないのでしょう。しかし,どんなに簡単に楽にできることでも,手順を間違えるわけにはいきません。 主電源が切れていてはリモコンのボタンを押しても意味がありません。カップ麺だって,外側のフィルムを取ったりふたを開けたりしなければお湯を入れることはできません。このように,神様や聖徳太子ならいざ知らず,普通の人間が一度にできることなどほんの少しのことです。身の回りのこうしたことは,子ども達だって当たり前とわかっています。しかし,勉強になると「一度にできなければいけない」という錯覚にとらわれているようです。そして,手品のように答えを取りだせると勘違いしているように思います。実のところ,手品は種も仕掛けもあり,上手に取り出すためには相当の練習が必要なのです。 練習といっても,むやみに回数をすればよいというものではないでしょう。漢字や計算で,子ども達は回数をこなす練習は十分にしています。私が足りないと感じることは,まず,手順をマスターし,その手順をできるだけ目で見える形にする練習です。例えば,計算ではいつ約分をするのか・いつカッコをはずすのかといった手順が大切です。自分の手で式を書き目で確かめながら効率の良い手順を覚える練習をしてほしいと思います。 次に,分けて考えるということも練習が足りないようです。一つの問題を解くのに手順があるということは,問題を解く過程がいくつかに分けられているということです。漢字や英単語などが代表です。漢字は偏やつくりなど部品に分かれていますし。英単語は同じ綴りが出てきたりします。部分が結びついて全体があるのですが,部分には目がなかなか行かないようです。また,数は素因数分解という言葉がありますから,分けて考えることができます。 数といえば,2倍3倍と増やしていくことは抵抗なくすぐにできるのですが,2分の1や3分の1と減らしていくほうは不思議なことにうまくいかないのです。理科の数値など半分にしたり10分の1にしたりすると簡単に解けることがよくあるのですが,減らすことはなかなか思いつかないのです。理由はよくわかりませんが,等分する,分けてみるということはなかなかに難しいことのようです。
一度に答えの出る問題などほとんどありません。いくつかのステップがあり,どの順にやれば簡単に解答できるか,子ども達にアドバイスが必要です。どのように説明していくのか,私にこそ,手順が必要なようです。 ♥講習も終わり近くなってようやく涼しくなってきました。暑い中,子ども達はよく講習に通ってきてくれました。講習のほかに自習時間をとりました。それにも子ども達はよく参加し宿題などに取り組んでいました。学校の宿題や子ども達がどのように勉強しているのかなどの様子がわかりました。勉強は目的がはっきりしているものだと私は思っています。しかし,子ども達を見ていると,本当に目的を意識しているのだろうかと感じました。「休み明けのテストで点数を取る」それはよいのです。しかし,そのためには「何をすればよいのか?どうすれば目的にかなうのか?」と考えている様には見えないのです。何となく言われたことをこなしているといった様子です。本来,人によって実力が違います,目標が違えば課題も異なります。ですから勉強内容やその方法は,人によって違って当然だと思います。自分った勉強法と必要な内容を考えてほしいと思います。私は子ども達にあった内容や方法を子ども達にアドバイスしたいと思っています。
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2011年8月1日(月)No.272 いつもと違い,講習を始める前に子ども達に来てもらっています。今のところ,ほとんどの子ども達は学校の宿題をしています。 宿題の定番は,漢字の書き取りと,英語の文と単語を書く練習です。数・社・理は,ワークなどから選んだプリントがほとんどです。毎日のニュースから一つ選び,内容をまとめ感想を書くといったものもあります。勉強になるとは思いますが,ほとんど毎日のようにやらなければいけないので,子どもにとってはなかなか大変だと思いました。お手製のプリントの学校もありました。 また,宿題は夏休み明けのテストと連動しているケースがほとんどです。宿題とほとんど同じ問題が出題されるテストがあります。そしてその成績は内申点に影響してきます。そう考えると,休みが終わるころに練習すれば十分と言えます。しかし,結構な量です。何度も私は経験してきましたが,こつこつやらなければ休み終了間際に大変な思いをしなければならないでしょう。 そして良い点数を取ってほしいという考えからか,理科や社会の宿題が英語や漢字のように二度・三度と書かせるようになっていることです。以前はプリントに答えを書き込んで終わりでした。ところが,最近はノートにやってからプリントにするなど複数回やらなければならない宿題が増えています。少し様子が違ってきているように感じています。先生の親切心かも知れませんが,量をこなすことの嫌いな私にはどうも納得がいきません。勉強の目的は量をこなすことではないはずです。覚えられなければ何度も練習するのは仕方がないのですが,覚えていることを何度も練習させるのはどうかと思います。まあ,先生の好みでしょうから,私がどう思っても仕方がありません。 さて,子ども達に宿題をしてもらう目的ですが,どんなやりかたをしているのかを知りたかったのと,効率よく覚えるために,何かアドバイスができればと思ったからです。 英語や漢字については,以前から子ども達に話したりしているので,覚えることを意識している子が多くなってきているようです。そして,数・理・社のプリントになると,なるべく調べてするようにとは言ってありますから調べてはいるようです。しかし,答え合わせを見ていると,丸をつけ間違えたところは正解を書いて終わりといった様子です。問題に戻って確認をするといった様子はないようです。間違いを大切にし,失敗から何かを学ぶために勉強をしているのですから,その辺りをアドバイスしなければと思っています。 こう考えてくると,良くできる子は答え合わせに時間はかからず,短時間で宿題を終わらせることができ,できない子は間違いが多くとても時間がかかるということになってしまいます。何事も上達するためには,初心者ほど大変なのと同じなのでしょう。対策としては,こきざみに答え合わせをすることと,気分転換の方法なども考える必要があるでしょう。そして,めげずにやっていってほしいと思っています。 子ども達とって苦労なことはプリントのつくりにもあります。というのは,宿題のプリント見て,反復練習をやらせるのが目的ならば,もう少し工夫してプリントを作ってほしいと感じたからです。 例えば,英文を書くときなど,日本語だけを見て書くということも必要になります。英文を見ないで書くとなるとプリントを折ったり,何かで隠したりする必要が出てきます。簡単に隠すことができるように印刷してほしいと思います。ところが,一度目の練習は隠すことができても。二度目は自分の書いた英文が見えてしまうなどといった,とても面倒なつくりの印刷になっていることが結構あります。どう英文を隠すか,つまらないことで子ども達が頭を悩ませることになります。少し工夫してくれるとありがたいのにと感じました。 ♥講習の始まる前に塾に来て,子ども達は普段より長い時間を塾で過ごしています。長時間の拘束ですから,大変だろうと思います。私達も全員を呼んでやるのは初めの試みです。私も付きっ切りで見ているわけではありませんから,宿題など自分で勉強するのですから,どこでしても同じかもしれません。でも,人の様子を見たりすることは刺激になるでしょうし,一緒にすることで励みになればと思っています。そして,様子を見ながら,冬休みはどうするか考えたいと思います。
♥お忙しい中,多数のお母さんお父さんに懇談に来ていただきありがとうございます。懇談で話題になったことで多かったのは,やはり内申点のことでした。特に男の子がうまく内申点を取れないことです。男の子は「自分はきちんとやっている」と考えていて,実際にもきちんとやっているのですが他人の目を意識できないことが原因のようです。男女の違いと言ってしまえばそれまでですが,今の制度では,自分がきちんとやっていてもだめなのですから仕方がありません。中学生に他人の目を気にしろというのはどうかと思いますが,折を見て男の子たちに話すしか方法はないようです。
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2011年6月28日(火)No.271
中1の数学が文字式の単元に入りました。中学の数学でもっとも大切な単元だろうと私は考えています。「算数」が「数学」になると言っていいのではないかと思います。大切な単元ですが,特別に難しいというほどでもなく,計算は小学校に比べて簡単になることもあって,点数が取りやすいともいえます。 しかし,文章題になり,関数につながる代入などになると戸惑う子どもが出てきます。例えば,鉛筆1本が100円からa円になると意味不明になってしまうようです。数字ならできるが文字になると計算ができない,算数といえば計算のように思っている子が結構います。ちょっとパニックになってしまうと言っていいでしょう。 算数・数学であつかう数は,半端のない整数から始まり,少数・分数へと広がります。計算で言えば,小学校でできなかった引き算は,マイナスの数を習うことによってできるようになります。子ども達が成長するのに伴い世界が広がるように,数の世界も広がっていきます。そして,文字の世界が入ってきます。計算をするような,しないような文字の式です。しっかりと計算練習をしてきた子ども達にとっては,まったくの別世界かもしれません。 30年も塾をやってきて,子ども達にどう説明してきたのだろうか?子ども達から学ぶところが大きかったように思います。つまり,子ども達の間違い方,どんなところでどんな勘違いをするかが,私にとっては説明法を考えるヒントになっています。子ども達に学ぶといえば,聞こえが良いのですが,子ども達に合わせ行き当たりばったりといえるのかもしれません。 同じように説明しながら,毎回少しずつ変化してきたことと思います。 そして,今年は何を思ったのか,今までと違った導入をしました。いつもなら,関数の導入に使う事柄を利用して見ました。式の持つ意味や働きに注目してもらいたかったのです。式を落ち着いて見るようにもなって欲しいという思いもあります。当然,文章題や代入のことを考えると関数の考え方を使ったほうが良いのではと思ったからです。思いつきのようなところがありますから,子ども達にうまく伝わったかどうか,ちょっと説明不足だったように思います。もう少し詳しく説明する必要があるかと思っています。 どのような方法で目的地に向かうか,ルートが一つしかない場合もあれば,何本かルートがある場合もあります。文字の式に教科書の説明と違ったアプローチがあってもおかしくはないでしょう。いつもに比べ,少し変化を持たした説明になりました。詳しい説明,わかり易い説明にしたく思っています。 ♥1学期定期テスト…裁量問題が取り入れられてから,公立高校の入試問題は難しくなっています。では,中学の定期テストはどうでしょうか? 1学期の定期テストの平均点は,学年や科目によってバラつきがありますが,どちらかといえば高めのようです。だから,試験が易しかったかと言われると,わかりにくい面があります。学年の始まりということもあり試験範囲が狭い科目が多いこと。また,数学は計算が多く,理科は点の取りやすい2分野が試験範囲になっていたりしました。 試験の難易度はともかく,塾生が点数を取ったということは,ランクを考えると1学期で点数の貯金ができたのですから,とてもありがたいことです。 そして,今回も子ども達は,よく勉強をしたと思います。長時間の勉強を嫌う私ですが,勉強量と成績がまったく無関係とは思っていません。内容の伴った練習は疲れない程度に必要でしょう。時間外に塾に来て,問題練習をしたり,学校のワークを完成させたりした子がたくさんいました。 子ども達はこちらの予想を上回るペースで塾に来てくれました。今まで椅子が足りないとか,どこで勉強するのといった心配をしたことはありませんでした。しかし,今回の試験は試験日が重なったこともあって,日によってはスペースが足りなくなり,子ども達に迷惑をかけてしまいました。2学期は日程がずれているので大丈夫と思いますが,次の試験には時間の調整をしっかりしなければと反省しています。
当然ですが,各学年ともよく勉強をし,試験後のゲーム大会もとても盛り上がりました。
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2011年5月30日(月)No.270 英語の指導法にフォニックスというものがあります。英語の綴りと読みの関係をパターン化し,初心者が英語を読み書きできるようにするための指導法です。漢字が偏や旁から読みを予想できるように,英語のスペルから読み方を予想する方法です。ea,ee はアルファベットのe「イー」と読み,ai,ayはa「エィ」と読むといった調子です。中学で習う英単語だと70程度のパターンになります。パターンが多いか少ないかという議論はありますが,漢字に比べれば楽かと思います。パターンですから当然のように例外があります。しかし,パターンがわかれば例外は少ないため,覚えやすくなります。 なかなか便利な方法ですが,私が中学校や高校・大学と学校に通っている頃はフォニックスのことをまったく知りませんでした。学校で習っていれば少しは読み方やスペルを覚えるのに楽ができたろうと思います。 そして,今も小中学校でフォニックスを指導していないようです。習っていないので仕方がないのですが,「英語を読めない,書くのが苦労」となります。 そこで,子ども達はそれなりの工夫をします。 子ども達の工夫で普通に見られるのが,ローマ字のルールを適用することです。ローマ字の読みと書きがうまく一致する「pen」などでは有効です。しかし,「u」が入るとうまくいきません。「sun」のように「ア」と読むケースがほとんどです。そこで,この問題を解決するために子ども達は一工夫します。「読みは読みとして覚える,スペルはローマ字で覚える」,「sun」を読みは「サン」,書きは「スン」,「take」は「テイク」と読み,「タケ」と書くという調子です。 フォニックスのルールを知らない子ども達が知恵を絞った結果ですから責めることはできません。しかし,一つの単語について英語読み,ローマ字読みを覚える必要があるのです。なんという効率の悪さでしょうか。英語の表記のルールと日本語を書き表すためのローマ字のルールは違って当然です。子ども達は違いに気付いていますが,やむを得ず,ローマ字のルールを持ち込んだのでしょう。仕方がないのですが,ローマ字のルールを適用していると,その結果,フォニックスのパターンに気がつくことがないのです。ローマ字のルールが有効であればあるほど,それに頼り,ほかの方法に目がいきません。そして手間ひまのかかる効率の悪い作業を続けることになります。 勉強は目的があってすることです。長い時間することに何の意味もありません。効率良く目的に向かうのがベストです。勉強の効率を考えると,ローマ字のルールなど無視してほしいと思いますが,子ども達なりの工夫ですから私達としても複雑な心境です。 日本語には日本語ルールがあるように英語には英語のルールがあります。読みとつづりだけでなく,英語は日本語と語順がまったく違います。英語のルール,パターンを意識して単語や文を見るようになると効率よく勉強が進むと思います。 ところで,「パターンに分ける」,分けると言いますが,実は仲間集めです。共通点があるのだろうか,あるとすればどこなのだろうか?共通点があるからこそ仲間でありパターンができているのだと思います。 パターンを見つける,これは特別なことではないと思います。子ども達はゲームの中などで,必勝パターンを考えているのではないかと思います。日常生活で普通にしていることではないでしょうか?ところが勉強になると別物のようです。何とか,勉強を点取りゲームとして,必勝パターンを身につけるように私達も工夫したいと思います。 ♥さて,フォニックスを知らない私が読みやスペルをどのように習得したのでしょうか。子ども達と同じように最初はローマ字読みをしていたのだろうと思います。そのうち何だか違うと思ったのでしょうか。フォニックスを初めて知ったとき,英語の読みとスペルについて「あぁー,そう言われればそうだ,同じ綴りは同じ読みをしている単語が結構あった」と納得していましたから,はっきりと自覚はしていませんでしたが,なんとなくパターン化していたようです。そして,ばらばらだった英単語がフォニックスによってきちんと整理されたのでしょう。ということはいくらか単語の数を覚えることが必要なのかもしれません。子ども達には,単語が増えるのに合わせパターンを説明していこうと思います。 ————————————————————————————————————————— 2011年4月25日(月)No.269 新学年が始まり,子ども達は張り切っています。張り切りすぎて疲れないようにと私は言いたいほどです。これから一年,長丁場の学校生活です。中3くらいになれば大丈夫ですが,抜くところは上手に抜いて疲れをためないようにしてください。特に中1は中学校の環境に慣れるまで大変かと思います。先生が入れ替わるなど小学校との違いに戸惑っていると思います。中学校についての愚痴をこぼすといったこともあるかと思います。「そうなの,そうなの」と聞いてあげるだけで子どもはリラックスできるようです。子ども達の話を良く聞いてあげてください。 塾では,中2・3は新しいメンバーが加わりましたが,それなりの雰囲気がすでにあり,新しいメンバーもその雰囲気に慣れてきているようです。 1年生はようやく緊張が取れてきたという感じです。最近は声も出るようになってきましたが,塾に慣れるにはもう少し時間が必要なようです。 小学生は顔なじみのメンバーということもり,和気あいあいとやっています。 どの学年も,活気のある良い子ども達に恵まれたと私達は思っています。今までの経験からいっても,活気のある学年は成績も良くなることが多いのです。これからが楽しみだと思っています。 ところで,東日本大震災の影響が思わぬ形でありました。中3は修学旅行が話題となっています。例年ですと東北方面に三泊四日の日程でしたが,今年は道内で二泊三日となるような子ども達の話です。日程が短くなったり,道内は行ったことあるところだったりで,子ども達はちょっぴり残念そうです。仕方のないことかもしれませんが,違った意味で記憶に残る修学旅行になるかもしれません。いい意味に考えるようにするしかないでしょう。 ♥この春から,小学生の教科書は,算数や理科で内容が増えて教科書が厚くなったようです。一方,中学の教科書は来春から変わります。中学校では教科書こそ変わりませんが,新しい教科書の内容が補助教材として勉強することになっています。そんなこともあって,昨年から塾用のテキストの改訂があったり,新刊が出版されたりしています。 そんな流れの中,この春の公立高校の入試で初めて,補助教材の内容が出題されたこともあり,私も何種類か新しいテキストを採用しました。勉強の内容ということもありますが,入試が難しくなってきていることへの対応を考えた結果です。裁量問題を取り入れて以来,理科・社会もそうですし,英・数・国の標準問題も難しくなってきました。これは各高校の合格ラインが下がるといった形ではっきりと出ています。そして,2学期に行われる中3の学力A・B・Cの問題も難しくなってきているようです。一歩抜け出すには,難しくなったのであればそれなりの対策が必要でしょう。そして宿題をどうしようかと頭を悩ませ,以下にあるように宿題を設定することにしました。 ♥塾の宿題♥中学生には宿題を出しています。例年,1学期の定期テストの範囲になっている単元を中心に,宿題の一覧表を手渡してあります。英・数・社・理,各テキスト8冊の,どのページが宿題かを記した一覧表です。 どの学年も全部でおよそ80ページあります。(範囲を広めに見ていますから,定期試験までにやる必要があるページは減るかと思います。)定期テストを6月中旬とすれば,今から40日程度で仕上げる必要があります。学校行事等で勉強をできない日があっても,1日に2ページ程度やれば間に合うでしょう。 しかし,教科によってページ数にバラつきがあります。また,授業の進度もにらみ合わせ,どの科目とどの科目をするか,かたよりのないようにバランスよく宿題をするようにしてください。 なお,中3には1・2年の範囲も宿題としてあります。こちらは夏休みまでに終わらせてくれると良いと考えています。しかし,定期テストには2年生の最後の部分が範囲となるかもしれません。いつどのページを勉強するか,自分なりに考えて効率よく進めてください。 そして,学校のワークは5段階評価に直結しますから,しなければなりません。ワークを見ていないので何とも言えないところがありますが,ページ数を数えどの程度すれば良いか自分でも考えて見てください。 ♥宿題は答え合わせを♥間違いを大切にしてください。次に同じ間違いをしないように,どこをどう間違えたのか丁寧に答え合わせをしてください。次に生かすための勉強です。くれぐれも間違いを大切にしてください。 ♥新学年が始まり,そろそろ1ヶ月になります。学校の活動や部活動で帰りが遅くなり,食べる時間がなく,おなかをすかしたまま塾に来る子ども達がいます。「腹が減っては戦ができぬ」で,勉強に差し支えます。コンビニで何か買ってという方法もなくはありませんが,健康面から考えると,おにぎりやチョコなど軽い食べ物を持たせていただければと思います。また,飲み物なども持たせていただいてかまいません。ただし,飲み物は,水分補給と考えると,スポーツドリンクかお茶にしていただきたいと考えています
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