ごあいさつ

通信Back number 2019年4月~2020年3月

 

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2020年3月24日(火)No.376

来年度から大学入試が変わる,英語では「聞く・話す・読む・書く」の4技能が試されるそうです。変わるのは英語だけではないのですが,受験制度の変更は受験産業にとってはビジネスチャンスでしょう。実際に新しい受験に対応するとうたった教材が売り出されています。特に英語は最初に書きましたように「話す」が加わり,変化が大きいせいか新しい教材がたくさん出ているようです。それに乗せられたわけではありませんが新しい英語の教材を試しに入れてみました。

その教材の売りは,ネットを通して「話す」の練習ができるということのようです。英語教科書の発音の練習や英検の面接の対策もあります。教科書の新出単語・基本文・本文をネイティブが発音してくれ「聞く」の練習です。ネイティブが発音した後にそれをまねて発音すると,それをAIが採点してくれます。「話す」の練習でしょう。「話す」というよりは発音の練習という方が正しいでしょうか。この他にも機能があります。

何度か使って子ども達に受けたのは「話す」のAIの採点でした。まず,私よりも子ども達の方がよい点数が出ます。子ども達はネイティブの真似をしますが私は長年の癖で日本語英語ですから当然かもしれません。子ども達には私に勝つことがとてもうれしいことのようです。いつも間違いを指摘される側ですからこれまた当然でしょうか。上手に真似をすると高得点が出るのは納得です。思いもよらない時に高得点出たりします。パソコンのマイクの性能が関係するのかもしれませんが,誰も読んでいないときに,お喋りや笑い声などの周りの音を拾って得点がでることがあります。真面目に読んだ時よりも点数が良かったりします。どうも声が小さいとAIでも聞き取りにくいのか点数が低くなるようです。

発音の練習をしようと思って導入したものではないのですが,意外な受け方をしています。本当に発音の練習になるかは「?」でしょう。

使い始めたばかりで,たくさんある機能面についてもよくわかっていません。迷惑をかけることもあるかと思いますがいろいろと子ども達に実験台になってもらいながら使っていくことになります。

本格的に使うかどうかはこれからの判断はまだできませんが「聞く」は聞き取りのテストは必ずあるので練習になります。また,和訳が付いているので意味の説明に時間を取られないので助かりそうです。整序英作文の問題があるので語順を意識してもらう一助にと思っています。

★正しく恐れる…何だかおかしな日本語のように思います。コロナウィルスの件で新聞でも見かけた言葉です。ウィルスについて正しいことを知り,必要以上に恐れたりしないで対策としてふさわしい行動をとるようにといった内容が書かれていました。「彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず」と昔から言います。コロナ対策として普通にできることとして「うがい」・「(石鹸で)手洗い」を心がける日々です。

 

 騒ぎが大きいと,教材の話ではありませんが騒動に便乗してビジネスチャンスとばかり様々なことを企む人達がいるようです。スマホで便利な時代で嘘も本当のことも拡散していきます。2018年胆振東部地震の時には「断水する」というデマが流れました。何が本当か公的なホームページなどで確かめることなどが必要なようです。

★イモリ…イモリは健在ですがメダカが2匹になったようです。

2020年2月25日(火)No.375

教室に遊んでいるパソコンがあります。もったいないので,小学生の勉強に利用できないかと思案中です。主に表計算ソフトと,それに組み込まれている関数を利用しようと思い,あれこれとパソコンをいじっています。いろいろと思いつくことはあり,頭の中ではうまく事が運んでいくのですが,いざ,パソコンに実行させるとなるとそうはうまくいきません。思い描いたことと何か違って不都合なことが出てきてしまいます。それでも小数や分数の説明に使えそうに思い懲りずにいじっています。しかし,思いつくのは説明が終わってからで使ったことがないという感じです。例えば分数の説明が終わるとこんな風にできるかなといった具合ですから,うまくできないと中途半端なまま忘れてしまいます。そしてまた,といった調子でよくない同じことの繰り返しです。今度こそは,何とか学年の始まりから使えればと思いパソコンにむかっていますがどうなることやら。

なんだか子ども達の試験勉強のようです。試験が終わった後に,次こそは試験勉強を早く始めてワークは早々と仕上げてと…。と思いながら,気が付いてみると試験がすぐそこに来ている。あまり子ども達に偉そうに言えないなあと思いつつやっています。

失敗続きですが,思い描きつつ何とかできないかとやっているのはそれなりに楽しいものです。そもそも結果を求められてやっていることではありませんし,うまくできなかったからといって誰かに迷惑をかけるものでもありません。そして意外な効能があります。ああしようこうしようと考えていると寝つきがいいのです。昔,参考書を睡眠薬代わりに読んだことがありますが同じ効果なのでしょうか。

こんな調子ですが,もしできたら申し訳ないのですが実験台になる子ども達が出てくることになります。出来が良ければ子どものためになりますが出来が悪ければ,申し訳ありませんが,ご迷惑をかけることになるやもしれません。やはり,ああでもないこうでもないと私が考えていて出来上がらないのが一番いいのかもしれません。

「継続は力なり」,「努力は報われる」「あきらめなければ夢は必ず実現する」…子ども達が持ってくる学校の冬休みの宿題のプリントに書かれている言葉です。どちらかといえば私の趣味に合いません。

 

こちらは,道新の日曜版のおしゃべりroomで見かけた言葉です。「教育ではなく,教養を積んだ人間になりなさい」,「大きく笑える人は大きく泣いてきた人」,「どんなに小さな仕事でも自分なりの楽しみを見つけなさい。根気も続くから」,「人生に失敗がないと人生を失敗する」…

★スケートに行ってきました…「年寄りの冷水」という言葉を思い出しました。転んだのは一度でしたが,膝を打った痛みと筋肉痛が数日続きました。適度に休憩をとれば良いものを,子ども達と同じような調子では…。無理は禁物というお話でした。

 ★イモリ…2,3日おきに餌をやりますが食べています。水草も減ってきているので食べているのでしょう。メダカは3匹とも健在ですイモリは生きた元気なメダカをつかまえるほどの敏捷さはないようです。

 

 

2020年1月28日(火)No.374

小学5年で速さのの勉強をします。今年,6年生から降りてきました。単位時間,1時間・1分・1秒に進む道のりで速さを表す約束です。たくさん進むほど速いとなります。一方,陸上競技では決められた道のりの,100mとか42.195㎞を短い時間で走ることが速いことになります。子ども達には徒競走でおなじみでしょうか。算数では時間が固定され,陸上競技では道のりが固定されています。

速さの比べ方が二通りあることになります。速さに限らず量を比べるときは同じように二通りの方法が使われます。例えば重さは体積をそろえてg数で比べるときと,g数を同じにして体積の多い少ないで比べるときがあります。学校の勉強に限らず身の回りにもこうしたことは普通にあるようです。買い物を考えると,1個の値段で比べることもあれば,同じ金額千円で何個買えるかで高い安いを比べるかと思います。

日常的にどちらが多用されているかはよくわかりませんが,数学・算数や理科では1時間や1㎥や1個で比べることが多いようです。1で比べるとなると割り算が使われます。そのせいか速さのような分野は子ども達に人気がありません。

同じことを違う表現にすることは普通にあることだと思います。ことば遊びのようですが「AはBより重い」は「BはAより軽い」です。

同じことを違った言い回しにする,試験問題にはよく見られることです。上に書いた重い軽いなどは「質量が同じとき体積の最も大きいものはどれか」などとしてとてもよく出題されます。間違える子供が多い問題でもあります。説明すればすぐ納得してくれますが,時間をおいて同じ問題を間違えないかというと怪しいものがあります。

文を読み替える,重い軽いのような反対の言葉はまだいいのですが,算数でよく出てくる2割引き=8割のように読み替えるのは難しいものがあります。なじみが薄い上にどこにも書かれていない10割から2割を引かなければならないからです。

問題を解くときの文章の読み方は,「同じことを違った言葉に変えてみる」・「書かれていないけれど,しなければいけないこと,例えば計算するなどに気が付く」,こうしたことだと言っていいと思います。つまり,読むということは「書いていないことに気が付け」ということになるのでしょう。言い換えれば「隠されていることを見つけろ」と言っていいようです。「こうした力を身に着けるにはどうすればいいのか」と尋ねられたならば,「隠されたものがないか意識して読むことと,それなりの量の文章を読むこと」としか答えられません。そんな思いもあり書き写しの宿題を出しています。よく読んでください。

★英語の読みPhonics…ホームページの連絡帳に「Alphabetの練習」という項目を設けました。クリックしていただくと合言葉を要求されます。合言葉は「おじさん」です。似た綴りの単語を羅列してあるだけですが,一つの単語が読めれば後の単語の読みが類推できるようになっています。小学生を対象に読みの練習と思い,アップしました。ほとんど読めるようであれば,中学の英語の教科書に出てくる単語の7割程度は読めると思います。

★宿題…文章の書き写し(視写というそうです)。意味のひとまとまりを意識し,覚えて書くように練習してください。

プリント…中学1・2生の試験対策用です。連絡帳に解答をアップしてありますから,自分で答え合わせをしてください。練習のためのプリントですから,わからない所は調べるのが良いでしょう。

★イモリ…メダカ3匹とともに健在です。作年と違って,暖房を24時間入れることにしたせいか,イモリは時折エサを食べます。季節感がなくなっているのかもしれません。

 

 

2019年12月25日(水)No.373

「この頃プラバンしてないね」などと,時折子ども達に言われることがあります。確かに今年はプラバンをしませんでした。そして,春には円山動物園に行きましたが秋にはどこにも行きませんでした。昨シーズンはスケートに行かなかったので,「いこーよ」と声を掛けられています。その他モノポリー,お泊りと盛りだくさんの声が聞こえてきます。

「お前ら,ここは塾だぞ。何か間違えていないか」と言いたいと思ったりします。しかし,やり始めたのは私ですから子ども達がとんだ勘違いをしても仕方がないのかもしれません。

勘違いといえば,先日,新しく塾に入った子に先輩にあたる子が「〇〇の塾に行ってたことがるけれど,シーンとしていて楽しくなかった」などと言っていました。その子にすれば塾に対するお褒めの言葉なのでしょうが,ちょっとちょっとと思い「シーンとしてるのが普通で,ここが普通じゃあないんだよ」と言ってしまいました。後の祭りですが,自分の塾を普通じゃないとは少々まずかったと思わず反省しました。

にぎやかならいいという訳ではありませんがシーンとした授業,実はやりにくいものがります。私の中学時代は一クラスが55人もいましたが,誰も手を挙げないなどとということがあったかと思います。その時の先生の気持ちなど考えたことがありませんでした。しかし,今考えてみると,空をつかむような感じというか手ごたえのなさのようなものを感じていたのではないかと思います。挙手をしない私など先生には悪いことをしたのだろうと今にして思います。

ですから,子ども達と勉強とはいえ何か言葉のキャッチボールがあれば,少しは嫌な勉強であっても,楽しくできるのではと思っています。

モノポリーのような盤ゲームやトランプなどのカードゲームをする機会が子ども達にはあまりないようです。カードゲームは自分の手や場の状況から相手の状態を予測したりと考える場面がよくあります。また,モノポリーはおもちゃのお金とはいえプレイヤー同士で売買をします。自分と相手の所持金など考え駆け引きが必要です。少しは勉強にも役立つのではと思ったりしています。ゲームの効能を書き免罪符となる訳ではありませんが,こんな時間があってもいいし大切にしたいと思います。

 

できれば,子ども達の言うようにいろいろなことをしようと思いますが,忙しいを口実に先送りを重ねてきたようです。年が改まり,どれだけのことができるかはわかりませんが,新しい年もよろしくお願いいたします。良い新年をお迎えください。

★イモリ…水草がすっかりなくなり,新しく買ってきました。そのついでにメダカを三匹買ってきました。以前からいる一匹とで四匹になりましたが,私と子ども達が見ている前で弱っていた一匹を食べてしまいました。肉食動物ですね。三匹の姿が見えています。

2019年11月27日(水)No.372

2学期末試験が終わりました。「達成感…ものごとを成し遂げたことによって得られる満足感」。「〇〇を達成する」の〇〇にはどんな言葉がふさわしいのでしょうか?イチロー選手は「夢や目標を達成するには一つしか方法がない。小さなことを積み重ねること」と語ったそうです。〇〇に「夢や目標」が入っています。辞書によれば

夢…将来実現させたいと思っている事柄。

現実からはなれた空想や楽しい考え。

目標…行動を進めるにあたって、実現・達成をめざす水準。

 ニュアンスに違いはありますが,夢も目標も実現を目指す点は同じようです。子ども達について思うに「将来の夢」といった使い方は良い使い方だと思いますが,高校入試や定期試験のように内申点とか試験の点数といった具体的な数字が入ると「夢」という言葉はどうかと思います。夢はどこか現実とは少しかけ離れた部分があるようです。ところが「夢」を実現させるには具体的な行動が伴わなければなりません。

そこでイチロー選手の「小さなことを積み重ねること」という言葉です。実行するのが困難な課題を積み重ねるのは難しいことだと思います。ですから,この「小さなこと」とは実行しやすいことを指しているのだろうと思います。凡人には「積み重ねる」ことの方が難しいのだろうと思います。ただ,人によって「小さなこと」は違うと思います。ある人にとっては「小さなこと」が他の人にとっては大変なことだってあるでしょう。そして「小さなこと」の内容も大事になるでしょう。積み重ねることで目標に近づくような事柄でなければいけないのですから。

勉強ということを考えてみても,目標を定めそして自分にとっての「小さなこと」を積み重ねることが必要でしょう。ところで,自分にとっての「小さなこと」とはどんなことでしょうか?

自分自身の中学生の頃の勉強を振り返って見ると,「小さなこと」と思ってやり始めるのですが,本当は「小さなこと」ではなかったことが多かったようです。どこかの大臣が言いましたが「身の丈に合った」小さなことではなかったのです。積み重ねることができなかったことがほとんどでした。積み重ねるには,日々続けることが可能な内容であることが必要です。そして目標に沿った内容であれば,「小さなこと」の中身が大きくなっていくと思います。小さな達成感・小さな満足感の積み重ねが大きな達成感・満足につながるのでしょう。言い換えれば,小さな成功体験を積み重ね手ごたえをつかむことによって大きな目標を達成することができるのでしょう。イチロー選手のように夢を実現させることができるかもしれないというお話です。子ども達が「小さなこと」を積み重ねていってくれればと思います。

私は,それなりの年月を生きてきましたが,達成感を感じたということがどれほどの回数があったのでしょうか?受験の時など達成感を感じたのだと思いますが,どの程度の達成感だったのでしょうか。通信が372になりました,どこまで続けると達成感が得られるのでしょうか?十分に達成したとどこかで思っているようです。

 

★宿題…忙しいを言い訳に宿題がストップしています。何とか続け,私自身の達成感を得たいと思っています。

★イモリ…餌をかなりの間与えていません。水草がかなり減ってきました。水草を食べているのでしょうか?今までの冬に向かう時期とそう変わらないようです。無事冬を越すだろうと気楽に考えています。

2019年10月28日(月)No.371

新聞のコラム欄で高校に通っている頃のお弁当の話を読みました。話題の一つに「自分の好物から食べ始めるか,それとも最後まで取っておくか」というのがありました。先に食べるか後で食べるか,どうして違いが出てくるのか,単なる習慣なのかそれとも性格とかが関係しているのでしょうか。振り返ってみると私は後で食べる派でした。

遠足ではありませんが,お弁当は学校生活の中で楽しい時間だったと思います。楽しい中で一番の楽しみ,好物を食べることを後にするか先にするか,楽しみの中での楽しい悩み,贅沢かもしれません。

子ども達を見ていると,食事以上におやつは楽しみなようです。おやつイコールごちそうのような私の世代とちがって十分におやつがあたる子ども達ですから,さほどありがたみがないのかと思うのですが,おやつはやはり楽しみなようです。私の知らない,名前も知らないし当然食べたこともないお菓子がたくさんあります。グミでさえ子ども達に教えてもらったのかもしれません。しかし,ラムネなど変わらないものもあると,まだあるんだと年相応に懐かしさを感じます。

こんなことを思いついたのは,お菓子を何日かに分けて食べる,「楽しみを分割し長く楽しむ」という塾生の話からでした。一度に食べきれない量があるなら分けて食べて当たり前ですが,私から見ると一度に十分食べきれる量でも分けて食べるとの話でした。その子に限らず他の子にも言えることは,楽しみは分かち合わないといけないようで,お菓子はみんなの分まで用意してきます。みんなでということは楽しくおいしく食べるための大切な要素なのでしょう。

そろそろ中学の定期試験が近くなってきました。子ども達にとっておやつの対極のような勉強です。そして「どの教科から勉強を始めるか」いやな科目・やりやすい科目のどちらから始めるか,よりいやなものを最初に持ってくるか後にするか,いずれから始めるにしろ,あまり楽しい時間の過ごし方ではなさそうです。食べ物のように腐る心配はありませんから先送りが可能です。私も面倒なことはついつい先送り,期限が近付いて大慌てということを懲りずにに繰り返しています。「困難は分割せよ」おやつを分けて長く楽しむのと同じように,面倒なことも分けてこなせばよさそうなものです。わかっていながら,まだ日数があるとずるずると過ごしてしまいます。失敗に学ぶと言いますが,学ぶということは何事においても大変ということでしょう。年をとるとますます学ぶことは大変なのだろうと思いますが,もう少し学ぶように心がけたいといけないでしょう。

食べるといえば,最近は食事の折に,食べ過ぎないように先に野菜を食べるとか,お酒を飲む前におなかに何かいれとてといったことは気にしますが,好き嫌いで食べる順を考えることなどほとんどないようです。年を取り健康に気を付けるとかが優先し,食べる楽しみがなくなっているのでしょうか。考えようによってはさみしい話です。

★ワークの日…中2でワークをする日を設定しました。午前10時から午後5時までの長丁場でしたが,どの程度できたか,試験までに間に合えばよいでしょう。中1も設定しますのでワークと解答を忘れずに持ってきてください。また,昼食の用意をお願いします。

★イモリ…気温が例年より高い日が続いていると思いますが餌を食べなくなっています。1年前の通信を見てみると,同じように「食欲がない」と書いてありました。飼い始めてからもう6年を過ぎたのですがよくわからないサイクルです。

 

2019年9月25日(火)No.370

今回も文章をただ書き写すだけの宿題のお話です。チェックをしていて気が付いたことです。書き始めに単純な間違いが多いのです。

そのことから,クレペリン検査という小学校か中学校かで受けた適性検査のことを思い出しました。クレペリン検査とは,「一桁+一桁」の計算をする単純作業を行う検査です。一桁の足し算という単純作業ですから,やり始めからしばらくは慣れていき作業効率は上がります。しかし続けていると,疲れから作業効率は落ちてきます。書き写すのは,目と手とを連動させる作業ですが,クレペリン検査と同じように始まりは調子が出ないということなのでしょう。

サッカーなどのスポーツで試合開始直後に点が入ったりする事がよくあるようです。これも,滑り出しにミスが多いという例なのかもしれません。同じように「試験のミスをなくす」ためには,始まりに慎重さと丁寧さが必要なのかもしれません。

慣れてきた中程にはミスが少なくなりますが,調子がよくなるせいか,文章中の言葉が自分の普段の言葉遣いになってしまうようです。例えば「意味だかわかりますか」を「意味か」のように「だ」が抜けたりします。手にリズムがついたための間違いでしょうか。

そして,終わりに近づくと疲れから注意が散漫になるのか,それとも「もう終わる」という安心感からなのかミスが目立ちます。

これらは特別なものではなく,始まり・中だるみ・疲れなど,一般的に言われる間違いのパターンなのかもしれません。仕事柄いつも間違いを探しているせいか,間違いについてばかり書いています。

当たり前のことで人間は間違いを犯します。できるだけ減らせるにこしたことはありませんが,なくすことはできないでしょう。時折,「間違はない」と思いあがる大人がいるようです。そうした大人は取り返しのつかない失敗をしてしまうようです。例えば,福島の原発のような大事故をおこしたように。なくせないものをなくそうとするのもどうでしょうか?「小さなミスをなくす」ことに注意が行きすぎるとかえって大きな失敗を招いたりするような気がします。

「間違はない人間はいない」何となく不都合ですが,認めなければならないことでしょう。つまり何をするにも「ミスをする」を前提にしていかなければならないということです。私自身にはとても難しいことなのですが,間違いには寛容にならなければいけないのだろうと思います。特に,危険を伴うことのない子ども達のミスには寛容にならなければいけないでしょう。

 

子ども達に不評,私には面倒な書き写すだけの宿題ですが,いろいろと考えさせてくれます。そして時には「クスッ」と笑える楽しい間違いも見せてくれます。いつまで続けられるかわかりませんが,できるだけやろうと思います。

★イモリ…去年も同じだったようですが,エサは食べたり食べなかったりです。去年と同じように,食べたのか水草がなくなっています。

2019年8月26日(月)No.369 

★宿題…文章をただ書き写すだけの宿題を出しています,但し中3を除く。学校に関する言葉では,私は一種の業界用語だろうと思っていますが,「視写」というそうです。漢字で書くと大層なことのようですし,ネットで見ると様々な効能があるように書いてあります。正確に文章を書き写すだけのことで,そんなに効果があるのならありがたいのですが,宿題にしていながら,そうは甘くはないと思っています。

書き写すだけですから,簡単だろうし文章に慣れてくれさえすればいいと考えて始めた宿題です。ところが,チェックをしてみると誤字脱字が見受けられ,間違いなく書き写していることが少ないのです。

間違える理由を考えると,第一に考えられることは,やってこないと居残りをさせているので,直前にあわててやる,やっつけになっていること。次に多いのは,同じ言葉が何度も出てきますから,近くに同じ言葉があるとそこに目が行って写すところがずれてしまう。普段文章に接していない子にみられる間違いだと思います。誤字は結構見られます,気が付けば訂正させているので漢字の練習にはなるかと思います。そして一番効果のない書き写しで,読んで書くのではなく,見たままをただ書き写す,模様を描いているのと同じことをしている,この場合は脱字が多く,時には行がそっくり抜けていたりします。「読んで意味を考えて書く」と私は言いますが,子ども達がどのように書き写しているかはわかりません。

子ども達に不評,私には面倒な書き写すだけの宿題ですが,勉強にとって読み書きがとても大切で基本であることを教えてくれていると思います。まずは読めないことには,勉強は始まりません。読み書きは一朝一夕で上達するものではありません。文章に触れ毎日のように練習することがとても大切です。私が子ども達にしてあげることができるのはほんのわずかのことです。毎日少しの時間で構わないので読む練習をしてください。何を読むか,勉強と考えれば学校の教科書で間に合います。面白くないかもしれませんが国語・社会は読み物のようなものですし,理科もいいかもしれません。中学生は英語の教科書をぜひ読んでください。英語はできれば書く練習もしてください。

学校の勉強がどう変わっていくのか,タブレットを使ったりなど紙の教材が少なくなるのかもしれませんが読むことはなくならないでしょう。書くこともキーボードでの入力に変わるかもしれませんが言葉をつなげていくことは同じだと思います。今,文字に親しんでおけば一生の宝になるかと思います。

★子どもに「おじさんもやってみな」と言われています。文章の書き写しです。やっていません,そのうちボケ防止の脳トレとしてやらないといけないかもしれませんが。正直,子ども達の書いたものを見る事に追われています。そして意外な効果があります。私が結構誤字を書いていたようです。子ども達の書いたものを見て,間違えていると思って調べてみると私が間違っていた漢字がいくつかありました。細かな点なので自分も他人も気が付かなかったのでしょう。「人の振り見て,我が振りなおせ」でした。

 ★イモリ…2,3日おきに餌をあげています。暑かった何日かは保冷剤で冷やしました。暑さは無事に乗り越えたようです。冷房が入ったのはイモリだけで,人間様は扇風機だけでしのぎました。

2019年7月29日(月)No.368

定期試験が終わり,塾もお休みさせていただき,夏休みまで少し子ども達はのんびりできたかと思います。学年によっては塾の宿題の準備が間に合わず,こちらもお休みになったりしていますが再開したいと思います。子ども達には評判が悪い上に,私には面倒な宿題ですが子ども達は良くやってきてくれています。私が面倒がらずに継続しなければと考えています。苦し紛れに中2に英語の教科書の文を書き写す宿題を出しました。反応はどうか様子を見たいと思っています。

★お休みさせていただきありがとうございます…一週間お休みさせていただきありがとうございます。三日三晩75時間ほど列車に揺られ4000㎞を超える列車の旅でした。お天気に恵まれ車窓からの風景,地平線を眺めバイカル湖では水平線も見えました。列車には食堂車があると思い,夜は食堂車でと思っていました。ところが車掌さんに聞いて食堂車はないことがわかりました。下調べがずさんだったということです。でも,途中の停車駅ハバロフスクでは駅前のスーパーを覗き,他の駅では駅構内のキオスクで食料品を買い込んだり食堂車がなかったおかげで地元のものを見たり買ったりと楽しめました。

駅のホームでは近郊の人たと思いますが食料品を売っていました。ピロシキや魚の干物,イチゴなどのベリー類や野菜など,そしてケーキも売っていました。手作りののケーキを買いおいしくいただきました。甘い甘いケーキでした。かと思えば,とてもしょっぱいサラミ?やチーズもありました。でもおいしかったです。

どのお店にもパン,チーズ,ソーセージなどどれもたくさんの種類がありました。野菜の種類は日本とそう違わないようでしたが,短いキュウリや色の薄いピーマンなど品種が違うようでした。売っている一品の量が多く食べる量が違うのだろうと思いました。実際他のコンパートメントで大量の野菜を並べ,食事の用意をしていました。車掌さんとは全く言葉が通じないため,トラブルめいたこともあり何度かお叱りを受ける場面がありました。車掌さんにお世話はかけましたが,彼女たちとは翻訳ソフトやジェスチャーでいくらかはコミュニケーションが取れたかと思います。

始発駅のウラジオストックは港町で標高は低く,降車したイルクーツクは400m以上の標高でした。途中の一番高いところは900m近く,線路は緩やかに高度を上げ,標高のある平らなところを走り,ゆっくりと下っていました。シベリア鉄道は平らな低いところを走っていると思い込んでいましたので意外な発見ができたと思いました。

時差が少しありましたが,ウラジオストックの経度は札幌より西になります。ところが札幌より時計を1時間進めなければなりませんでした。なんだか奇妙に思いましたが,日本の標準時は東経135度,ウラジオストックの標準時は東経150度なのでしょう。イルクーツクでは時計の針を戻さなければなりませんでした。ロシアは時間帯が7つもある東西に広がる国だと実感させられました。

★夏休みの宿題…それなりの量の宿題が出されています。中1・2は宿題をする時間帯を設けましたので,連絡帳のカレンダーを見てください。朝の10時から「宿題」と記入してあります。長期休みの宿題についてはかなり愚痴を書きましたが,練習するように作りが改善されたものもありました。それでも何度も書かせるという点は相変わらずのようで15回も書くというのもありました。

 

★イモリ…1週間以上餌があたっていませんがメダカも生きています。きっと飢えていることでしょう,忘れずに餌をやらないと,また暑くなるので保冷剤の準備もしないといけないかもしれません。

2019年6月25日(火)No.367

一学期末の試験が終わりました。試験勉強と内申対策のためワークブックを仕上げなければなりません。ワークブックの最後の仕上げに丸つけがあります。ページ全問正解であれば大きく花丸でよさそうですが,そうはいきません。問いの一つ一つに○を付けなければなりません。このことによってどのような効果が期待できるのか私にはわからないのですが,とにかく○つけに結構な時間がかかり面倒です。

そこで,時間を節約するため子ども達から解答を借り,問き終わったものから私が○をつけていくことにしました。何でもやってみるものです。気軽に考えてやり始めましたが,別冊の解答記入用ノートの丸つけは予想以上に面倒でした。ワーク本体に記入しているのであれば問いを見ながら解答を照らし合わせると,どのあたりをしているかがわかります。別冊ノートは問題と解答を照らし合わせることが簡単にはできません。そのためノートから一度目を離すと解答のどこを見ればよいのかがわからなくなります。縮刷版であれば少しはやりよいのですが,少々「イラッ」とさせられました。

子ども達は子ども達で,解答記入用別冊ノートには「イラッ」と来るようでした。私が○をつけながら「ここは違うよ」,となれば子ども達は見直しをします。問題は別の冊子にありますから,間違えた問題を探すのに手間と時間がかかるからです。

答合わせはなぜ大切なことなのでしょうか。○✖をつけるだけでは大した意味はないでしょう。間違いを見直すという作業を伴うことに意味があります。1ページなり見開きを終わらせてから答合わせをするとします。さて子ども達は間違えた問題を探しやり直すのでしょうか?それとも正解を書き写して終わりにするのでしょうか?

勉強ということを真面目に考えればどうするべきかは簡単にわかることなのですが,いそがしい子ども達はどうするのでしょうか。

私が使っているテキストは数学を除き書き込み式です。塾用教材には書き込み式や縮刷版解答などが売りのものがあったように思います。ワークは利用回数を増やすということが売りなのでしょうか。再利用するという点で別冊の解答記入用ノートはいい商品かもしれませんが,消費者・利用者として考えてみると果して使い勝手のいい商品といえるのだろうかと考えさせられました。

 

★イモリ…教室に来てから,まる5年。食欲があり元気です。

2019年5月27日(月)No.366

暑い暑い一日でした。サロマで39.5℃を記録,5月の最高気温を更新したそうです。そして,日陰に入ってゴロゴロしているような動物達が多かったようです。そんな暑さのせいにするわけではありませんが,ちょっとしたミスが多い動物園行きでした。とても面倒なことになりそうだったのは,私が帰りに麻生でバスを乗り間違えたことでした。バスをよく利用している小学生に指摘され,また乗客の方に「運転手さんに確かめたほうがいいよ」と声を掛けられました。運転手さんに確認し全員バスを降り,正しい路線のバスに乗り無事に帰りつくことができました。様子をみていた乗客の皆さんは我々が間違ったバスから降りたのでほっとした様子だったようです。

ちょっとした手違いといえば手順がまずかったようです。まず象さんを見ようと暑いさなか行列に並びました。15分ほど待たされたでしょうか。そして象舎に入れば,結構な人数が一斉に入りますからゆっくりと見ることができません。去年の白熊の時と同じで,少し追われるようにして象舎を出ました。象さんを見ることはできましたが,少々あわただしかったことは事実です。ところが昼食の後で象舎の前を通ると行列がなくなっていました。事前に様子をネットで調べておけばよかったと思い知らされました。

地下鉄の円山公園駅から動物園に向かう途中,動物園方面から救急車が走ってきました。まるで熱中症に気を付けるようにと言わんばかりでした。そして,以前炎天下を歩きおにぎりを腐らせたことを思い出し,お弁当を早めに食べてしまうなど,たいしてきちんと決めていない予定ですが,予定が狂ったという思いがしました。

予定が狂ったということでは,帰りの時間が1時間ほど遅くなったことです。園内を歩き疲れた私は子ども達も疲れただろうからそろそろ帰ろうかと思っていました。しかし,園内を見た後なのに子ども達はもう少し遊びたいととても元気でした。子ども達は2時半ころから3時半過ぎまでの一番暑そうな時間帯に遊具のある広場を走り回って遊んでいました。連絡が遅くなりお母さん達にご迷惑をおかけしました。申し訳ありませんでした。

★おいしいかき氷でした…かき氷を食べるのは何年ぶりだったでしょうか。象さんを見学した後と子ども達が広場を走り回っているときに食べました。一日に二回もかき氷など,大阪で暮らしていた頃にあったかもしれませんが,札幌に住むようになってからは記憶にありません。体の中まで冷やしてくれるようでとても有難くおいしいものでした。おいしく食べられたのは暑いさなか一緒に歩いてくれた子ども達のおかげと子ども達に感謝しています。

★中学生は学校のワークを完成させてください。一学期は試験範囲が狭いとはいえ,5教科のワークとなればそれなりのページ数です。各教科の範囲になりそうなページ数を合算し,試験までの残り日数で割ってみてください。一日に何ページする必要があるか簡単に出てきます。ワークはできるできないにかかわらずすべての問題をする必要があり,大変かと思いますが,試験近くに追われることのないように,また試験勉強ができるようにワークを終わらせましょう。

★イモリ…暖かくなり水を換えました。きれいになり見やすくなりました。イモリとメダカが喜んでいるかは不明ですが。餌は食べるようになり食欲があるようでしたが,ここ数日は食べません。この暑さでは食欲がないのかもしれません。去年のように保冷剤で冷やさなければならないかもしれません。

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 2019年4月23日(火)No.365

★新年度になり何か新しいことをと思い,小学生と中学1・2年生に文章を書き写す宿題を出しています。書き写す効能として,第一に文章に触れること,そして文章から何かに関心を持ってもらえればなどと,もっともらしいことを考えています。お題目としてはそれなりなのですが,子ども達にとって書き写すのは相当に面倒なことのようです。そして,「やってこないと居残りで書いていってもらうよ」と言っていますので,お世辞にも好評とは言えません。

居残りと言っても短い文章ですから,10分かせいぜい15分程度かと思います。残って書いている子もいますが,やはり,居残りは嫌ですから結構書いてきてくれています。

なんとかうまく滑り出したと思ったのですが,案に相違して面倒でたまりません。実のところは,宿題を出す私がとても楽だろうと思い手抜きを考えての宿題でした。ところが,実際に始めてみるとまずは,大した人数ではありませんが原稿を人数分用意しなければならないし,書いてきたものを添削するのが大変です。そして,面白い文章に違いないのですが,添削のために同じ文章を三度も読んでいると眠くなってきます。思った以上に手間暇がかかります。グッドアイデアと思ったのですが,そう甘くはありませんでした。安易に考えてやり始めたところは,イモリを買った時と同じです。もっと先のことをよく考えるべきでした。

「後の後悔先にたたず」,このことわざとは縁を切りたいのですが,この年になってもなかなかそうはいきません。不評なうえに面倒ですが,やり始めてすぐに撤回するのも癪にさわります。どちらかといえば意地になっているような感じです。

文章は面白いものだと思いますので,どこまで意地を張れるかわかりませんが,書き写す宿題をしばらく続けるつもりです。

なお,中3には受験用の問題集を宿題にしてあります。

★スマホを使い始めて二ヶ月弱になりました。調べ物の他,ニュースを見たり,興味や関心のあることなど世界中のことを瞬時に知ることができ便利なものです。自分の世界が広がるように思えますが,AIが「あなたへのお勧め」という形でニュースを提供してくれているようですから,本当に世界が広がっているのだろうかとも思います。広がるのではなく偏るのかもしれません。そして,便利が当たり前はいいことなのでしょうけれど,ブラックアウトで電気への過度の依存を感じた後だけに,便利さに慣れてしまうことで何か大事なものをなくしそうで不安になります。杞憂であってくれればいいのですが。

 

★イモリ…暖かくなり餌を食べています。餌をとらない冬を過ぎましたが,やせたようでもありません。そして,以前から生き延びていたメダカだと思いますが,一匹の姿が見えなくなりました。

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